コラム 茨木 英光

「アジャストの上達に必要なこと4 モーションパルペーションの上達法」

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こんにちは。

関節マスタードットコムの
茨木 英光(いばらき ひでみつ)です。

本日もどうぞよろしくお願いします。

今日はモーションパルペーションについて考えてみたいと思います。

カイロプラクティックの学校に入って、実技の授業で初めに習うのが
スタティックパルペーションとモーションパルペーションです。

スタティックとは静的という意味で、
スタティックパルペーションは関節を動かさないで骨の形を触診する技術です。

例えば、第5腰椎は腸骨陵を結んだ線の下側にあるとか、
環椎は乳様突起のすぐ内側にあるなど、
触りにくい箇所も正確に触診できるようになるために学びます。

一方モーションパルペーションは、
関節を動かして触診してその可動性が減少または亢進しているのかを
検出していくカイロプラクティック独自の技術です。

アジャストを学ぶ学生にとって、
このモーションパルペーションで大抵つまづくのです。
その理由と対策を考えてみましょう。

■つまづく理由1
学生どうしの練習では歪みの少ない人をモデルとしているから。

学校やセミナーなどの練習では、
ペアになってモーションパルペーションの習得を行うため、
はっきりとした変位のある人が少ないのです。

変位の少ない人から無理やり異常を検出しようとするために、
練習生は自信のない答えを導き出してしまうのです。

そこをアジャストしてみてもやっぱり動かない。
そうやってどんどん自信喪失してしまうのです。

■つまづく理由2
講師の先生の答えが真実だと思ってしまう。

講師の先生が触診をして、「第3腰椎が左に変位している。」と言われた後に触診すると、
自分も先生と同じ答えを出したいというデバイスが働いて、
第3腰椎だけしか見えなくなってしまいます。

「うーん、先生に第3腰椎が左変位と言われたら、そんな気がする…。」
このように自信のない結果を出してしまい、
モーションパルペーションが苦手になっていくのです。

しかし実際の患者様を相手にすると、変位がはっきり現れているので
すぐに分かるようになりますので安心して下さい。
講師の先生を前にしても自分の感覚を信じましょう。

■つまづく理由3
棘突起の触診は難しいもの

モーションパルペーションでは棘突起と関節突起の二つを用いて触診を行います。
しかし関節の可動性を失うのは椎間関節なのです。
だから隣接する関節突起だと変位の左右差がすぐに分かるのです。

棘突起自体は可動性を失うものでなく、しかも椎間関節から遠いため、
そこで可動性を確認しようとするのは難易度が上がります。
それを知らないで棘突起を右へ左へと押したっていつまで経っても分かりません。

回旋の変位を知りたいならば、関節突起を両拇指で軽く押圧したら
どちらが後方にあるのか容易に理解できるのでその上で棘突起を用いて
回旋変位の確認をすればリスティングを出すことが簡単になります。

■つまずく理由4
上方変位と下方変位は同じ確率ではない

回旋のリスティングが決まったら、次は側屈を検出していきます。
例えば、左関節突起が下がっているとします。

「これは、左が下がって悪くなっているのか、それとも右が上がって悪くなってっるのか。」
私も学生の頃に悩みました。
先生に質問しても明確な答えは返ってきませんでした。

これは、下がっている方が変位側というのが答えです。
関節が下がってしまう理由は、重力です。
つまり体の重みで椎骨が下がってくるのです。

それがひどくなると変形性脊椎症や圧迫骨折などを引き起こします。
それだけ脊柱にとって重力とは大敵なのです。

一方上方変異の原因となるものは何でしょうか。

急性腰痛で椎間板が炎症を起こして腫れ上がっていることが考えられますが、
その場合でも圧迫を解放しないといけないため、上方変位を下げる矯正をするのではなく、
対側の椎間関節を持ち上げて椎間板にかかる負担を軽くしなといけません。

このようなことから、モーションパルペーションで重要なことは
下方変位の検出にあると私は考えています。

以上のことを踏まえて、
モーションパルペーションのコツについて考えてみましょう。

■モーションパルペーションのコツ 1
棘突起より関節突起の方が分かりやすい

アジャストでポキっと動く音は椎間関節が開いた時に鳴る音です。
ですから椎骨が変位すると上の椎骨が下がってきて
椎間関節の重なりが深くなっている状態となるのです。

それを発見するのは簡単です。
両母指で椎間関節を下から押し上げるとコリッと硬い感じがあります。
それが椎間関節の重なりです。

しかし棘突起は変位をしても多の椎骨と重なるわけではないので
硬い感じというのはありません。

しかも棘突起は椎体から最も遠い部位なので、
重心の動きが分かりづらいのです。

ですから棘突起の可動性は補助的に検査して、
関節突起の動きをしっかりと調べたほうが分かりやすくなります。

■モーションパルペーションのコツ 2
痛みの訴えている椎骨に集中する

学校で触診を習うときは、自分が何番の椎骨を触っているのかを理解することから始めます。
第5腰椎や第12胸椎、環椎などは触診が難しいため、正確に触る練習をします。
もちろんこれは大切なことです。

しかし臨床の場となると、患者様は痛みを訴えていますから、まずそこを触ればいいのです。
「どこが痛いですか?」と聞いて指を差してもらい、そこの検査をします。

その椎骨が何番であるかはあまり重要ではありません。
痛い箇所は必ず変位を起こしてますから、
その変位を戻して痛みを取ってあげましょう。

しかし痛みのない椎骨に根本原因が隠されているのはないかと思われることでしょう。
それは痛みを取ってから追求しても間に合います。

まずは初回の施術では痛みを楽にしてあげて、
その後で隠された変位を探して矯正していきます。

まだモーションパルペーションに自信がない段階で
メジャーサブラクセーションを探そうとして患者様の体をこねくり回さないことです。

慣れてきたらどの椎骨でもすぐに触診できるようになりますので、
自信が付くまでは痛い場所を端的に調べるように練習して下さい。

■モーションパルペーションのコツ 3
ファーストインプレッションを信じる。

どちらに変位しているのかよく分からない時に、
何回もモーションパルペーションを繰り返さないことです。
一回目の検出の感覚を信じることです。

何回も首を右に左に回旋させられては患者様も疲れてしまいます。
それに術者が慣れていないことを悟られてしまいます。
モーションパルペーションは2回くらいまでで十分です。

分かりづらい時は変位が小さいということですから、自分の技術が未熟だと思わないで
「これは分かりづらい骨なんだ」と結論づけて大丈夫です。
自分のファーストインプレッションを信じましょう。

以上、モーションパルペーションについて考えてみました。
モーションパルペーションはコツをつかむと椎骨の変位がとてもよく分かりますので
ぜひ活用してみてください。

次回はアジャストの具体的な方法についてお話したいと思います。
ありがとうございました。

関節マスタードットコム
茨木英光

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