コラム 茨木 英光

アジャストの上達に必要なこと7

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こんにちは。

関節マスタードットコムの
茨木 英光(いばらき ひでみつ)です。

本日もどうぞよろしくお願いします。

今日は頚椎のアジャストについて考えてみましょう。

毎回お話していますが、
アジャストの目的はズレた椎骨を押し込んで戻すのではなく、
可動性が減少した椎間関節を開くことにあります。

では、頚椎の椎間関節について見てみますと
胸椎と同じく関節面は前後方向となって傾斜がついています。
(腰椎は矢状方向)

そしてその傾斜は胸椎の椎間関節よりもゆるく、
45度くらいの傾きとなっています。

関節面の方向が胸椎と同じであれば
腹臥位で後方から押し込んでも良さそうなものですが
頚椎の場合はそうはいきません。

胸椎は後弯であるため後方から押すと関節のあそびが取れやすく、
後方からのアジャストがしやすい構造となっています。

しかし頚椎の場合は元来前弯であるために、
後方から押しても関節のあそびが
取りにくくてフワフワとしてしまいます。

それに腹臥位で首を押されても痛くて不快感が出てしまいます。

これを解決するために頚椎のアジャストは仰臥位もしくは座位で
回旋を主としたアジャストを行います。

回旋のアジャストといっても頚椎をブン回せばいいのではありません。
両手で頭を持って派手な頚椎のアジャストをときどき見かけますが
あの方法では頚椎の何番が動くのかが正確ではありません。

そのアジャストを受けても平気な人はそれでもいいのですが
やはり傷めてしまう可能性が高まってしまいます。

各頚椎を正確にアジャストするためには、
変位を起こしている椎骨の関節の遊びをしっかりと取る必要があります。

頚椎の椎間関節が変位すると、上の椎骨が下の椎骨に対して
後下方に滑り落ちるようにのしかかってきます。

さらに首は回旋と側屈の可動域が大きい構造なので
後方にのしかかりながら回旋と側屈が伴っています。

また頚椎の構造上、下部頚椎は側屈の可動域が大きく、
上部にいくに連れて回旋の可動域が大きくなっていきます。

そのためアジャストをする際には下部頚椎だったら側屈を重視して
上部頚椎の場合は回旋を主に矯正します。

側屈と言っても純粋に側屈だけを矯正することはありませんので
頚椎の矯正はやはり回旋がメインとなります。

1 仰臥位にて、示指と中指を揃えて椎間関節を
後方から前方に押して変位のある椎骨を探します。

第一頸椎かた第七頚椎までリズムよくポンポンと天井方向に押して
可動性の少ない箇所を見つけます。

このときに何回も繰り返すとかえって分かりづらくなりますので、
2回までで判定してください。

2 可動性の減少している椎骨が見つかったら、
指先で軽くマニピュレーションを行います。

筋肉の硬さが原因でしたらこれだけで可動性が回復する場合もあります。

3 マニピュレーションをした後にまだ変位が残っていましたら、
側屈と回旋のモーションパルペーションを行います。

この時に注意することは、
「回旋変位、右にあり。 側屈変位も右にあり。」
というような二択で決めていくのではなく、

回旋と側屈の矯正方向がどこにあるのか
三次元的なベクトルを見つけ出して下さい。

そのためには上述の「下部頚椎は側屈メイン…。」
という知識が役立ちます。

4 第二頚椎がLPS、つまり左椎間関節に側屈と回旋変位があると仮定します。

両示指と中指で第二頚椎にコンタクトしたら、
首を持ち上げるように屈曲していきましょう。

すると下部頚椎から屈曲が始まって、
次第に第二頚椎の椎間関節も屈曲するのが手に感じられます。

5 屈曲が感じられたら、患者様の頭を右に側屈して、左椎間関節を開きます。
この時に左手で椎間関節が開く動きをしっかりと感じ取ってください。

6 開いたら、コンタクトハンドである左手を示指側面か拇指に変更します。
私は拇指での矯正が好きなので拇指での説明とします。

7 次に側屈を戻して頚椎を正中線に戻します。

この時に間接手(右手)の示指と中指で右側の椎間関節が開くことを感じ取ります。
この間接手で感じ取ることが大切なのです。
間接手を離して顎を持ったりしてはいけません。

8 正中線まで戻ったら、直接手である左拇指で側屈をかけます。

この時に患者様の頭を左に倒すのではなく、
あくまで正中線上で第二頚椎のみに側屈をかけます。

アジャストがうまくできない場合は、
この側屈のかけかたに問題があるのです。

大きく側屈をかけてしまって首が正中線から逸脱してしまっているのです。
ここから回旋をかけても無理に捻るだけになってしまって
痛みを伴ってしまいます。

9 もう一つ大切なことは、
側屈の動きを間接手の右手でずっと感じ取っていることです。
間接手である右手は最後まで右椎間関節から離しません。

10 側屈が完了したので次に回旋をかけます。
回旋をかける時も首が正中線から外れないように気をつけます。
回旋が終了したら頚椎をわずかに伸展させます。

するとコンタクトしている拇指に椎間関節が吸い付くように乗っかってきます。
この感覚があればキレイにアジャストできます。

なければいくら強くひねったことろで椎間関節は動きません。
ぜひこの感覚をつかんでください。

11 矯正直前に患者様が苦しそうでないことを確認したら
最後に小さく動かしてアジャストを終了して下さい。

側屈と回旋が左右で違っていたらどうするのか。
左に側屈があり、右に回旋の可動性減少がある場合がたまにあります。
この場合には2種類の矯正方法があります。

一つめは、側屈と回旋を別々に矯正する方法です。
まず左の側屈を取るのですが、それでもわずかに右回旋を伴います。
右回旋させることはあまり気にしないで左側屈メインで矯正します。

次に左回旋をかけて右から矯正します。
これは回旋のみの矯正ですので、しっかりと牽引をかけて椎間関節を開きます。
そして大きく回旋をかけて矯正します。

もう一つの矯正法は、左の拇指と示指で回旋を押し込んで、
左側屈を取りながら右手で左回旋をして矯正をするというものです。

右の椎間関節を浮かび上がらせて矯正するといった感じです。
これは慣れないと難しいので始めは左右別々の矯正法を習得してください。

コンタクトハンドの注意点

コンタクトは拇指か示指で行いますが、矯正するときは
拇指コンタクトの場合は中指を先に伸ばすようなイメージで

示指コンタクトの場合は拇指を伸ばすイメージで
矯正を行うと無理な力が入らずに矯正ができます。

以上が頚椎のアジャストの注意点ですが、

・大切なことは椎間関節を開くイメージを持つこと
・正中線から首を外さないこと
・最後にわずかに伸展をかけて指に椎間関節を吸い付かせること

この3点が揃った時にアジャストの技術がグッと上がります。
ぜひ習得できるまで練習してください。

アジャストの考察も今回が最終となります。
アジャストは世間的には危険で必要のないものと言われがちですが
正しく行えばとても効果の高い技術です。

関節操作の施術を重視されている施術家の方は
ぜひ習得していただきたいと思っています。

ありがとうございました。

関節マスタードットコム
茨木英光

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