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関節マニュピレーションとは? 徒手による治療の方法と効果

関節マニュピレーションとは~徒手による治療の方法

関節マニピュレーション」とは、関節に対して行う徒手による治療方法のことを指しています。
カイロプラクティックの施術において活用される手技として知られています。
関節の痛みを取り、柔軟性を高めることができる徒手テクニックです。

関節を徒手によって多動的に運動を加えることによって、生理的可動域を超えて関節を瞬時に動かします。
関節を柔軟にさせる効果が得られ、神経伝達をスムーズにすることで痛みをなくし、健康を引き出すことができます。

能動的に可動させることができる運動の限界を超えて受動的に動きを加えていくために、施術者は十分にそのリスクについて熟知しておく必要があります。

中には関節マニピュレーションが不適応となる疾患や禁忌となるものまで存在します。
ただしその部位に対しては禁忌であるとしても、関連領域に対しては有効となる場合も多くあるために、手技自体は大変有効なものであると言えるでしょう。

例えば急性期の椎間板ヘルニアに対して直接的に関節マニピュレーションの手技を行うことは原則禁忌ではありますが、別の部位に対しては治療の選択肢となり得ることが少なくありません。

そのように絶対禁忌となる症例をしっかりと理解しておき、また不適切な処置や副作用、合併症などについての知識を高めておくことが大事であると考えられます。

関節マニュピレーションの効果

関節マニュピレーションの効果は、関節に対するアプローチによって、関節可動域が広がりスムーズに動かせるようになることにあると言えます。

施術では徒手によって多動的に運動を加えていきますが、筋肉の緊張が緩むために動きが軽くなることが実感できます。
この施術だけでかなり状態が改善するということも珍しいことではありません。

カイロプラクティックではサブラクセーション(subluxation)と呼ばれる関節の所見を触診によって行い、所見に基づいて関節マニピュレーションを行います。

サブラクセーションとは単なる骨のズレや歪みといった構造的なものを指すのではなく、その構造的な症状から神経が圧迫されて障害を起こしている状態であると捉えます。
そのため関節マニピュレーションによって、関節のズレや歪みを調整することによって、同時に神経伝達も改善されています。

つまり、施術によって症状の軽減だけではなく、健康の改善まで引き出すことができるのです。

関節マニュピレーションの禁忌

関節マニュピレーションでは、施術者がすばやい動きで関節に対して一時的に能動的な限界を超えて運動を加えていきますので、リスクとなる要因について熟知しておく必要があります。
カイロプラクティックの臨床において、関節マニピュレーションが適応しているのか、あるいは禁忌なのかの判断が最も重要であると言えます。

特に絶対禁忌とされる状態での関節マニュピレーションについては、時には生命を脅かす可能性があります。

例えば骨折を引き起こしている部位に対しては、関節マニュピレーションは絶対禁忌となります。
それが事故にあった患者であるような場合、骨折の部位だけではなくあらゆる部位を注意深く診断しなければなりません。

その他にも亜脱臼や脱臼のような関節障害、骨粗鬆症など病的骨折のリスクがあるような疾患、出血リスクや血管事故を伴う血液疾患などに対しては禁忌となっています。

とはいえ禁忌とされるものには、不適応と考えられる状態から絶対禁忌とされるものまであり、仮にその部位には禁忌であるとしても別に部位には有効となることがほとんどです。
適切な診断が求められていると言えるでしょう。

整形外科が行う関節マニュピレーションとの違い

整形外科が行う関節マニピュレーションは「サイレントマニピュレーション」と呼ばれる施術方法のことを指しています。

マニピュレーションという言葉自体は関節に対する徒手的な治療行為になりますので、同じようなイメージを感じるかもしれませんが、カイロプラクティックのそれとは区別されています。

整形外科での関節マニピュレーションでは、エコーガイドのもとにおいて神経ブロック麻酔を行い、痛みをとったうえで手技によって関節の拘縮を解除させるという治療法です。

例えば四十肩や五十肩で肩関節に強い拘縮がある場合、神経ブロック麻酔の効果がある痛みを感じない間に、徒手によって腕を動かし、肩関節の可動域を広げていきます。

徒手による施術自体もカイロプラクティックによるものと、整形外科等で行われるものには違いがあります。

カイロプラクティックでは関節に対して瞬間的に力を加え、関節の位置を矯正したり可動域を広げる施術を行います。
この動きを「スラスト」と呼んでおり、アジャストメントの効果があると考えられています。

整形外科では多動による伸長運動によって可動域を広げていきますが、瞬間的に運動の限界を超えるような治療は行いません。
外国では医療現場での関節マニュピレーションは推奨されている国もありますが、わが国でも医療現場においては医師からもその認知度は高いと言えません。

ただ有効性は高いと考えられるために、医師の治療法の一つとすべきではないかという意見も少なくありません。

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