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内臓マニュピレーションとは? オステオパシーでの施術方法と効果

内臓マニュピレーションとは

内臓マニュピレーションとは「内臓整体」と呼ばれることもあるオステオパシーで行われる手技の一つであり、内臓そのものの位置、構造の歪みなどを調整することによって免疫力を高め、機能増進を図る施術方法になります。

オステオパシーでは内臓マニュピレーションに対してどのような考え方を持っているのか、また具体的な症状に対してどのような視点で施術を行うのかご紹介しましょう。

オステオパシーにおける内臓マニュピレーションの考え方

オステオパシーにおいては人間の身体を一つのユニットとして捉え、構造と機能は密接な関係を持つと考えます。
例えば関節に歪みがあると、そこから周辺筋肉や靭帯などに影響を及ぼし、それが内臓にまで悪影響を及ぼすことがあります。

また内臓機能が低下すれば、関連する筋肉や神経などが緊張を起こし、構造のバランスが傷れてしまうこともあるのです。
内臓はその位置や構造に柔軟性がありますが、歪みが生じバランスが崩れている状態になれば、内臓機能だけではなくさまざまな問題を引き起こす原因となってしまいます。

オステオパシーは骨格の歪みを調整するイメージを強く持つ方が多いのですが、そもそも創始者のアンドリュー テーラー スティルは解剖学を重要視しています。

つまり骨格の構造だけではなく、内臓や自律神経などとの関係も含めて、身体全体の構造と機能に着目して施術しなければならないと説いているのです。

内臓マニュピレーションの施術とその効果について

内科的には異常がなくても、調子が良くない、さまざまな症状に悩まされるということがあります。
例えば「便秘」は一つの例として挙げられます。

決して大腸に異常がなくても便秘は引き起こされてしまいます。
これは大腸の動きが悪くなっているためで、特にS状結腸の働きが悪くなってしまうと便秘になってしまいます。
便秘の症状においては、筋肉が緊張している部位を緩め、全身のバランスを調整することによって改善が期待できます。

全身のバランスについては内臓マニュピレーションだけではなく、筋膜や骨格、筋肉などの構造にも着目して調整を行うことになります。
全身の構造に着目してみると、全身のバランスや歪みによってS状結腸の働きに大きな影響を与えている可能性があります。

逆に言えば便秘の場合、S状結腸の働きが悪くなることによって、その周辺の筋肉や自律神経を緊張させ、筋膜に歪みを生じさせる原因になることもあります。

そのように考えると、内臓マニュピレーションの必要性を明確に実感できるのではないでしょうか。

内臓マニュピレーションの施術方法

内臓マニュピレーションは、内臓の位置に歪みはないか、動きに制限がないかなど触診によって捉えていきます。
手技においては触診をもとにして、正しい方向に調整していきます。

内臓は、『腹腔』と呼ばれる部分に内臓が納まっています。
横隔膜や腹壁を囲んでいるエリアのことを腹腔と呼びますが、弾力性のある膜で覆われていることが分かります。

つまり健康な内臓は、腹腔の内部において柔軟に動かしながら、必要な役割を担っていると言えます。
例えば胃は食物を取り込み、柔軟に動かしながら消化させることができます。

しかし腹腔に歪みが生じることによって内臓を柔軟に動かせなくなってしまいます。
胃の働きが悪くなって、食欲が湧かない状態であるときには、このような状態になっていることが一つの原因として挙げられます。

消化管の歪みなどを調整することによって、胃の動きに柔軟性をもたらすことが可能です。
このようなことから内臓マニュピレーションは内臓の制限を解放し、内臓の働きに柔軟性を取り戻すことにあります。

内臓の調整だけに偏るのではなく、また骨格だけを捉えるものでもないために、とても合理的な施術方法であると言えるのではないでしょうか。

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