茨木 英光

「軟骨は痛みを感じるのか否か」

更新日:

こんにちは。

本日より、手技オンラインドットコムメルマガの執筆陣に
加わりました、関節マスタードットコムの
茨木 英光(いばらき ひでみつ)です。

どうぞよろしくお願いします。

早速ですが、今日のテーマは、「軟骨は痛みを感じるのか否か」
についてお話させて頂きます。

軟骨は、痛みを感じるのでしょうか。

「膝や椎間板などの軟骨は、受容器が存在しないために軟骨が
傷ついても痛みを感じることはなく、痛みを発しているのは
軟骨以外の周囲の筋や腱、靭帯・骨膜などが痛みを感じている。」

という意見を目にすることがあります。

そして関節の痛みを抱えている方が、私たち手技療法家の元へ
多くお越しになって先生の施術で改善していることが多くある
ことと思います。

果たして軟骨は痛みを感じるのでしょうか。
それとも無痛の組織なのでしょうか。

私は軟骨は痛みを感じる組織だと思っています。それも激痛です。

軟骨は人間の発達段階初期においては直接血管支配を受けて
栄養が届いていますが、成人までに周囲の血管は閉じて虚血性の
組織となります。

その後は軟骨の栄養は近くの血管をろ過した浸透作用に
よって届く仕組みとなっています。

このことから、軟骨には血管と神経受容器は存在しなく、
軟骨は痛みを感じないというのが一般論となっています。

手技療法家の先生もこの理論に基づいて、軟骨の痛みを
筋肉や関節の位置を整えて調整を行なっておられることと思います。

軟骨の痛みを手技療法で改善できるのかどうか。

それはある程度の変形のものは回復可能だと思います。
しかし重度の変形になると難しいのではないでしょうか。

また、スポーツや事故などで瞬間的に軟骨を痛めた場合も
難しいと思います。

特に関節の中でプッツン音を聞いている場合は。

「腰痛症候群 第4版 Rene Cailliet著 医歯薬出版」に興味深い記事が載っています。

  最近になって、外層の椎間板輪状線維は支配神経を持ち、無髄神経線維の終末を
  含むことが証明されている。これら終末器官が外輪線維層に存在するものか、または
  隣接する縦靭帯の終末器官よりの侵入なのかは余計なことかもしれないが、損傷を
  受けたり刺激を受けたりすると侵害受容器を伝達する。それらの存在により、外輪層へ
  の損傷は痛みの感覚を伝達しうる。

また、大阪中央病院の井上先生はこのようにおっしゃっています。

  1980年代には、米国の研究者が半月板にも血行があると報告。
  血流があれば、割れてもくっつく可能性があるとして、損傷部を縫い合わせる治療法が
  広まり、現在も主流となっている。
  初期に手術を実施した58人で、半月板の外側から5ミリ以内の、血行が豊富な部位を
  損傷した51人では、うまくくっついた率(癒合率)は94%。一方、5ミリを超え血行が
  乏しいところを損傷した7人では29%に低下した。
  http://www.47news.jp/feature/medical/news/070605hangetsu.html

以上の2つの記事から、軟骨の外層は完全な虚血組織ではなく受容器が存在し、
痛みを感じるということが分かります。

私の軟骨損傷の経験を少しお話いたします。

以前、合気道の稽古中に、膝の中で「プチュッ」という水風船が
破裂するような感覚が起こり、痛みが走りました。

それは筋肉や靭帯とを痛めた時とは違う、今までに経験したことのない
痛みでした。膝に圧力がかからないと表現したらいいのでしょうか。
コンクリートの上を膝で歩いているような感じの痛みでした。

手技療法も何件も受けましたが改善することはなく、病院も転々と診察を受ける日々でした。
(これは手技療法の先生の問題ではないんですよ。あくまでも私の膝の傷の問題でした。)

これは半月板か軟骨が破れているなという感覚がずっと続いたので、
内視鏡を入れて手術してくれる先生を探し回りました。

一年かけて、ようやく上記の井上先生と出会うことができ、手術を
受けることができました。受傷してから手術を受けるまでの一年間は、
膝の痛みはほんのすこしも改善することはなく、むしろ悪化していきました。

内視鏡を入れてみると、やはり大腿骨の軟骨がささくれのようにめくれていました。
もし軟骨が痛みを感じないのなら、軟骨がめくれていても平気だったはずです。
でも実際は、膝が痛すぎて、頭まで痛くなるほどでした。

軟骨のめくれを切除したら、痛みは無事に治まりました。
だから、軟骨が痛みを感じるかどうかについては、
自分の経験上、「そりゃーもう、痛くてたまらない。」というのが実感です。

話をまとめますと、

  • ・軟骨の外層は受容器が存在し、損傷すると痛みを感じる。それもかなり痛い。
  • ・軟骨外層には血流も存在するので、ある程度の軟骨の痛みについては手技療法でも改善の可能性がある。
  • ・事故や怪我などの、瞬間的に軟骨を損傷した場合、特に関節の中でプッツン音を
    聞いている場合、軟骨に亀裂が入っているため、外科的処置を勧めた方がよい。

ということになるでしょうか。

関節マスタードットコム
茨木 英光

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