コラム 茨木 英光

「アジャストの上達に必要なこと1」

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こんにちは。

関節マスタードットコムの
茨木 英光(いばらき ひでみつ)です。

本日もどうぞよろしくお願いします。

施術においてアジャストは使用されていますでしょうか。
私はかなりの頻度でアジャストを用いています。

関節操作においてダブルモーションテクニックと同様に
アジャストはとても重要なテクニックです。

そこでアジャストが上達するために必要な考え方を
何回かにかけてお話ししたいと思います。

1 指ポキについて考える

まず、脊椎のアジャストの前に指ポキについて考えてみましょう。
他動的に指を曲げるとなぜポキっとなるのか。

いろんな説がありますけれど私はキャピテーションの説が
正しいのではないかと考えています。

キャピテーションとは、液体が急に陰圧になった際に
気体が現れる現象のことです。

関節包内には関節液がありますが、関節を曲げたり引っ張ったり
するときに関節包が伸ばされて内部が陰圧となります。

陰圧になることで関節液から気体が現れて、
さらに引っ張ることでその気体が弾けます。
これがキャピテーションによる関節のクラッキングです。

つまり、脊椎のアジャストをするためには、
椎間関節の関節包を伸ばすか引っ張るかして、
関節包内を陰圧にする必要があるということになります。

骨のズレを戻そうとして押し込んでもうまく動かないのは
キャピテーションが起こるような操作ができていない
ということです。

2 脊椎サブラクセーションをどう考えるか

カイロプラクティックにおいて、サブラクセーションを
改善することがメインテーマでした。

今はその考え方は少し変化しているのかもしれませんが。

カイロプラクティックの創始者であるD.D.パーマーは、
難聴であるハーヴィー・リラードの胸椎にサブラクセーションを
発見し、そこを矯正したことで難聴を治しました。

これが有名なカイロプラクティックの始まりの出来事です。

後にD.D.の息子であるB.J.パーマーは、D.D.の矯正した箇所は
胸椎ではなく第2頚椎であったと訂正しています。

私もB.J.の意見に賛成です。第2頚椎の方が納得がいきます。

D.D.もB.J.も、サブラクセーションによる神経学的異常
難聴を引き起こしたと説明していますが、私は上部頚椎の
サブラクセーションにより脊柱管が狭くなって脳脊髄液が
頭蓋から脊椎へと流れにくくなって頭蓋内圧が上昇し、
脳脊髄液が内耳の外リンパ液に過剰に流入して内耳を圧迫して
難聴が起こったと考えています。

これはもちろん、脳圧を重視する私の偏った考えですから
事実とは違うのかもしれません。

昔はサブラクセーションが起こると椎間孔が脊髄神経を圧迫する
椎間孔圧迫説が言われていたこともありました。

椎間孔とは上下の椎体から形成する側面にできる孔のことで
「椎孔」と混同しないように注意してください。

脊髄神経とは、椎孔から出る脊髄の枝となる末梢神経のことで、
中枢神経である「脊髄」と混同しないように注意してください。

脊髄、脊髄神経、椎孔、椎間孔、この言葉を聞いてすぐに
違いを連想できるようにもう一度調べておいてください。

しかしこの椎間孔圧迫説は早い段階で否定されて、現在では
サブラクセーションとは、トーン(活動電位の放電頻度)の
異常を引き起こす原因であると考えられています。

簡単に言うと脳が機能低下を起こして神経学的な
異常を起こすというものです。

私もトーン異常の考えに基づいて神経学的なアプローチでアジャストを
していた時期も長くあったのですが、アジャストの施術をして頭痛やめまい、
自律神経の異常がその場で改善できたことはありませんでした。

カイロプラクティックというと、ポキッと一発アジャストをすると
様々な体の不調が治ってしまうイメージが勉強をし始めた10代の頃の
私の中にあったのですが、いざ開業してみると、アジャストでなんでも
治せるような施術は私にはできませんでした。

しかし脳圧の理論がだんだんと分かりだして、頭の前方すべりを戻すと
頭の様々な症状がすぐに改善する結果が出始めたので私は
サブラクセーションによるトーンの異常よりも脳圧上昇による
中枢神経の圧迫の方を重視するようになってきました。

3 ではアジャストをすることで何を改善しているのか

まずは可動性の回復です。

アジャストをすることで動かしにくかった首が軽く回るようになり、
背中が伸ばしやすくなり、腰が楽に動かせるようになります。

この改善は瞬時で劇的です。

患者様も「わっ 首が軽く動く!」
と言って喜んでくださることは多々あります。

ポキっと言う音と共に椎間関節の関節包が伸張されるわけですから
可動性の改善は顕著に現れます。

次にこれは私の想像ですが脊柱管と脊髄との可動性の
回復がなされていると考えています。

背骨が輪切りにしたちくわを積み上げたもので、
脊髄がうどんと想像してください。

積み重ねたちくわの中にうどんを通したものが背骨と脊髄の関係です。

背骨は曲げ伸ばしをして私たちは生活していますから、
うどんは曲げ伸ばしされるちくわの中でスムーズに
動かなければなりません。

実査に座った状態で前屈をすると、脊髄は数センチ頭の方に
引っ張られているのです。

このうどんとちくわは離れているのではなく、
髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)によってゆるく連結しています。

そしてくも膜下腔に脳脊髄液が流れて脊髄の潤いを保っているのです。

格脊椎の可動生減少が長期化してくると髄膜も動かしていないことに
なるために椎骨と脊髄との可動性も少なくなってしまいます。

すると脳脊髄液の流れる場所も狭くなって脳圧が上がってくるのです。

例えて言うと、排水管の中が錆びだらけになると水が流れにくくなって、
流し台に水が溜まり始める状態です。

アジャストをするだけでは脊髄の可動性を改善するまでには至りませんが
アジャストをした上で脳圧理論を用いて後頭骨を牽引すると
脊髄がズルズルっと動く感じが術者の手に伝わってきます。

そうすると脳脊髄液が一気に流れ出して頭痛がその場で改善します。

アジャストは神経学的な改善にも有効だと思いますが、
やはり基本にあるものは可動生の回復だと思います。

4 関節のクラッキングは変形を招くのか

これについては賛否両論があると思います。

私は指ポキがどうしてもやめられなくて
30年以上指をポキポキ鳴らし続けています。

でも痛みが出ることはなく、変形もありません。
しかしポキっと鳴らした時に痛みを伴うようだったら
やらないほうがいいと思います。

では施術において脊椎にアジャストを行うと変形性脊椎症を
助長するのかという問は正確なアジャストを行っている場合は
その恐れはないと考えています。

正確なアジャストとは、可動性の減少している
椎間関節のみを動かすアジャストです。

第七頚椎が可動性減少を起こしていたら、そこだけを動かす矯正方法です。

どこが動くか分からないけど、バキバキッと派手に首を動かす方法では
傷める原因となってしまいます。

アジャストは正確に椎骨を動かすと、小さくポコっと関節が
動きますので、患者様にとっても痛みや恐怖感がありません。

脊椎の変形が起こるのは椎体の扁平化と椎間板の変性によるものです。

アジャストメントは椎間関節を動かしますので無理な矯正で
ない限り変形性脊椎症を助長することにはならないはずです。

むしろ長時間座りっぱなしなど、椎体と椎間板に過剰な圧を
かけることが変形の大きな原因となっています。

今日は関節がポキポキ鳴ることについて、いろいろと書いてみました。
指ポキは関節を曲げたり伸ばしたりすると鳴ります。

背骨もズレを押し込んで戻そうという考えより
指ポキと同じように椎間関節に対して
牽引とひねりを持って矯正するとうまく動かせます。

次回もまたアジャスト上達のために必要なことを
お話したいと思います。
ありがとうございました。

関節マスタードットコム
茨木英光

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