コラム 茨木 英光

<股関節>股関節の変位は多くの場合、前内側変位ではなく外側変位なのか?

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こんにちは。

関節マスタードットコムの
茨木 英光(いばらき ひでみつ)です。

今日は股関節について
大変興味深いご質問を頂戴いたしましたので
みなさまとも共有して一緒に考えて見たいと思います。

以下ご質問内容です。

「これまでは、股関節の多くは
 FAIと呼ばれる前内側方向への
 変位で股関節のインピンジなどの症状が
 出るメカニズムを理解していたのですが、
 やはり多くの場合、「股関節は前内側変位ではなく外側変位」と
 考えたほうがよろしいでしょうか?」

という内容でした。

まず言葉の説明をいたしますと、

FAIとは
femoro大腿骨
acetabular寛骨臼
impingementはさみ込み

という言葉の略となっています。

つまり、大腿骨と寛骨臼がこすれ合って損傷が起こる部位が
前方なのか、外側なのか。
という趣旨のご質問ということになります。

私は膝の動画で股関節の外側変位の施術方法をご紹介いたしましたので、
私は股関節は外側に変位することがメインだと思っています。

1 股関節は外側に変位しやすい

外側変位と言っても、単に大腿骨頭が外に変位するのではなく、
体重がかかって変位するわけですから、
寛骨臼が大腿骨頭に上から乗っかりながら
(寛骨臼と大腿骨頭の間が狭くなりながら)
大腿骨頭が外側へと追いやられるのです。

つまり股関節は圧縮力が常にかかっており、
その状態で変位すると猛烈な痛みが発生するのです。

2 股関節はどんな時に変位するのか

どんな時に股関節は変位するのかというと、
立っている時に軸足に重心を過度に置くとか
気が付かずに溝に脚がはまってしまうなど、

過度に荷重がかかりながら大腿骨頭が外側に変位していきます。
この寛骨臼と大腿骨頭との圧迫が
股関節を傷める大きな原因となっています。

3 股関節は屈曲動作に強い。

野球の守備などで中腰となるとか、急勾配の坂道を登るとか、
空手の前蹴りなど、股関節は単純な屈曲には強い構造となっています。
これらの動作で股関節を傷めることはまずありません。

そして、そこに外転が加わった状態で
体重が乗ることも強い位置となります。
回し蹴りの軸足など。

しかし先程ご紹介したような、休めの姿勢で体重がかかってしまうと
股関節は途端にその支持力を失います。

詳しく言うと、股関節が内転位で体重が乗ってしまった場合です。
この姿勢では大腿骨が外側に外れようとする動きとなりますから
あっという間に痛みが発生してしまいます。

また、整形外科テストにおける前方インピンジメントテストでは、
仰臥位で股関節を屈曲・内転・内旋をした時に痛みが出れば
陽性となっています。

内転内旋をするということも大腿骨頭が
外に出ようとする動きとなりますので、
やはり股関節を中に入れる操作が必要となるわけです。

4 その方向が外側なのか、前方なのか、それは問診と触診で判断が可能

まずは患者様にどこが痛いのか聴きましょう。
大抵は外側が痛いはずです。
小殿筋の付着部などは特に痛む箇所となっています。

外側が痛ければ、側臥位で股関節を入れるダブルモーションと
小殿筋のマイオモーションを行います。

また純粋に前方が痛ければ、
それでも側臥位の治療を先に行って大腿骨の位置を元に戻します。

それから仰臥位にて、脚を重ねない4の字にした状態で
術者は手掌で大腿骨頭を中に入れていきます。
でも私は経験上、外側の施術だけでほとんど良い結果が出ています。

いかがでしたでしょうか。
大変勉強になるご質問をありがとうございました。

いちばん大切なことはどうやって傷めたのかよく聞き取ることです。
横にひねって傷めたのでしたら外側から大腿骨を入れることが必要でしょうし、
屈曲して傷めたのでしたら前方からの治療を行います。

しかし構造上どうしても外側に変位しやすい関節であることと
患者様がどのように変位したのかを合わせて治療を行ってみてください。
ありがとうございました。

関節マスタードットコム
茨木英光

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