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【茨木英光】腹圧と子宮筋腫

みなさまこんにちは。
今日は腹圧について考えてみたいと思います。

お腹に臓器を入れている腹腔
ここには上下に孔が開いています。

上は食道裂孔・大動脈裂孔・大静脈孔
下は肛門・陰門

このように空間と孔だけ見ると、
上に3箇所、下に2箇所孔の開いている、ひとつ袋のように見えますが、
圧力の違いから、3つに分けて考えてみたいと思います。

1 食道裂孔と肛門

消化管の入り口と出口で、
胃・十二指腸・小腸・大腸と1本の管として構成され
これがおよそ腹腔と今は考えます。
噴門部下食道括約筋肛門肛門括約筋があり
通常はしっかりと閉じられています。

嘔吐や排便など、体外に排出するときには
高い圧をかけることが必要なため、
腸管はその圧力に耐えられる柔軟性を持っています。

2 血管

横隔膜大静脈孔大動脈裂孔が開いてますが
厳密に言うとこれらは腹腔の後ろにあるため
腹腔の外ということになります。

圧力も大動脈は一般的に知る120mmHgと
腹腔の圧力とは全く別世界です。

3 女性器

陰門からつながる女性器の空間である子宮
子宮口膀胱肛門のような明確な括約筋を持たないため
随意に経血を止める働きがありません。
そのため、ここは腹腔とは違う空間と考えたほうが理解しやすくなります。

4 男性器

男性器の場合は女性より貫通部がずっと小さく、精管を通すのみとなっています。
男性器腹腔の外にあることからも分かる通り
圧力の影響は、通常では受けません。

鼠径ヘルニア陰嚢に入ってしまうことはありますが
それほど多くは起こらない症状です。

しかし生殖器を外に出す弊害として
精巣に下からボールが当たって悶絶するなど
外力による障害を受けやすいという弱さを伴っています。

このように、同じお腹の中に入っている臓器なのですが
ひとまとめに考えるのではなく、
「風船の中にくぼみを作って、そこに女性器を埋め込んでいる」
とイメージしてみてください。

そうすると、風船の圧力を高めると、
隣接する女性器圧迫を受けることが分かると思います。
慢性的に便秘がちだと、腹圧を高めて排便することが多くなります。

この時に子宮は圧迫を受けるため、子宮の平滑筋が収縮を繰り返すことになります。
この収縮が長期にわたることで子宮は固くなり、子宮筋腫のリスクを上げてしまいます
生殖器消化管とは違って、圧に耐える器官ではないのです。

また人間は直立二足歩行なため、子宮内臓の下にあるため、
腹圧を上げると余計に生殖器に圧がかかってしまいます。
この位置関係から見ても、子宮を圧迫する要因となってしまっています。

生理痛子宮筋腫など、女性器を病気から守るためには
高い圧力を避け、子宮の平滑筋を固くしないことが鍵となってきます。

子宮を高い圧から守る方法を、次回実践編として考えてみたいと思います。
ありがとうございました。

茨木英光

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