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増永静人の『禅指圧(ZEN SHIATSU)』~海外でも普及する経絡指圧とは

増永静人の創始した禅指圧(ZEN SHIATSU)とは

増永静人先生の創始した経絡指圧は、海外において「禅指圧(Zen Shiatsu)」として広く普及しています。
これは、実際に海外で操体法の普及に取り組んでいる小松 広明先生が、その取り組みの中で実感していることであるとお聞きしています。

増永静人先生は、指圧を創始した浪越徳治郎によって設立された日本指圧専門学校浪越学園の第一期卒業生として知られています。
1960(昭和35)年に「医王会」を設立し、経絡指圧によって治療・研究に取り組みながら、その普及のためにセミナー・講習の開催に力を注いできました。

現在、海外においては経絡指圧は「禅指圧(Zen Shiatsu)」とネーミングで普及しつつあります。欧米においてそのネーミングで紹介されてから一般的となっています。
浪越徳治郎から指圧を学んだのち、単に母指や手掌によって力で押すだけで病気治療するのは無理があることに気付き、なども活用するようになりました。

患者さんを副交感神経優位であるリラックスした状態によって、独特の技法である「支え圧」の手技によって施術することが効果的であるとしています。
決して無理に強い力によって圧をかけるのではなく、自然な圧によって施術を行うことが手技の特徴となっています。

禅指圧(ZEN SHIATSU)の施術について

増永静人先生の禅指圧(ZEN SHIATSU)は、長きにわたって研究を積み重ね、さらに何千もの臨床を重ねてきたことによって、確認されてきたものです。
だからこそ、現代においても、また欧米でも受け入れられて普及している理由であると言えるでしょう。

禅指圧(ZEN SHIATSU)はその名の通り、「指圧」がベースとなっている施術方法ではありますが、さらにその本質は「経絡」にあるとしています。
実際、増永静人先生の言葉には、「指圧を習得するには経絡の理解は欠かせない」としており、東洋医学全体の体系の中で指圧を捉えていたことが分かります。

それは、指圧は東洋医学に根拠があり、人間の本能的な要求に支えられた技術であるとしていることでも理解ができます。

経絡体操(イメージ健康体操)について

増永静人先生は晩年に「経絡体操(イメージ健康体操)」を提唱し、経絡指圧が完成したと語っています。
経絡体操は自分自身で行う健康法であり、「」を原理にしているところに特徴があります。

①肺・大腸
②胃・脾
③心・小腸
④膀胱・腎
⑤心包・三焦
⑥胆・肝

基本の体操は上記の通り、12経路を臓腑一組として6つの型に組み立てて成り立っています。
立位となってイメージ呼吸を行ったのちに6つの型をやり、最後に仰臥位で安静のポーズで締めくくります。

基本的にこの銃所で動作を行いますが、経路の成り立ちの通りであると言えます。

経絡体操(イメージ健康体操)の目的

「経絡体操(イメージ健康体操)」の動作は、生命の成り立ちの順序でもあり、東洋の生命観に基づいたものが根本であることが分かります。
東洋医学においては、「気」を生命の根源的なエネルギーとして捉えており、その気が気血として流れていると考えています。

気血が流れる道のことを経絡と言い、この経絡には12のルートがあります。
気血が経絡にスムーズに流れているのであれば健康ですが、この流れがどこかで滞ってしまうと、内臓機能に障害が生じてしまいます。

また気候の変化によって身体に影響を及ぼす外邪に侵されやすくなり、病気になりやすくなってしまうのです。

経絡体操は、単に身体を動かす体操ではなく、経絡に流れている気を自身の身体で感じながら、気の流れを整えていくという健康法です。
体操によって自覚できた気の滞りは、そのまま私たちの生き方を反映したものとして反省することもできるのです。

そのため、この経絡体操に取り組んでいると、自身の機能について理解できるようになり、どのように歪んでいるから、どのように過ごせばいいのか察知することができます。
つまり、体操によって病気の予防に取り組むこともでき、健康的な生活に繋げることができるのです。

経絡指圧について

増永静人先生の経絡指圧は、経絡を指圧することによって健康を改善しようとするものです。

経絡は気の流れる道になりますが、この気の動きや体に現れる滞りについては「アメーバ」であると、独特の表現で現わされています。
アメーバをよくご存じの方であればお分かりになると思いますが、アメーバの運動は「ゾル」と「ゲル」が繰り返されています。

ゾルとは流動性がある状態で、ゲルとは流動性を失くした状態のことを言います。

私たちの体もこのアメーバのようにゲルとゾルの繰り返しのようなものであり、疲れてゲルになれば休息してゾルに戻る。

しかし、気に滞りができてしまうとゾルに戻ることができないので、病気になる前に経絡を指圧して滞りを失くしてしまうことが大切だと考えているのです。

増永静人先生が設立した医王会では、実際に多年の研究をもとにして確認された経絡図が用いられています。
実際に何千もの患者の症例から臨床的に手指で確認したものであると言われています。

また、施術においては、単純に指圧によってポイント的に押圧するだけのものではなく、漢方医学で用いる4つの診断方法のうち「切診」が応用されています。

4つの診断方法のことを「四診」と呼ばれており、望診・聞診・問診・切診に分けらています。

「切診」とは触感を用いて診察する方法ですが、単に局所的に異常を捉えるのではなく、全身状態を捉えるのが特徴となっています。
経絡指圧は病気の症状を取り除くだけではなく、生活の改善にも取り組み、正しい方向に歩むことが目的となっているのです。

アメリカで操体法の普及に努める小松 広明先生は…

アメリカなどで操体法セミナーなどを開催する小松 広明先生、実際に欧米やヨーロッパなどにおいて、増永先生の禅指圧が普及しているのを肌で感じると言います。

小松 広明先生は、京都の治療院「あかとき庵」代表で、あん摩・マッサージ・指圧師の有資格者であり、海外の治療家に操体を教える活動をしていることで知られています。
海外の治療家が短期間で操体のエッセンスが理解できる「SOTAI INTUITIVO」が好評となっています。

2017年にはイタリアのトリノで、2018年にはアメリカのコロラド州ボルダーにある東洋医学の大学で、2019年にはオレゴン州ポートランドにある東洋医学の大学で、それぞれセミナーを開催され、世界中に治療家の生徒を持っています。

現在はセミナーを開催するだけではなく、イベントやコンテンツのプロデューサーとして活躍されています。

プロデュースしたコンテンツとして、

格闘家でも知られる平直行氏の「やわらぎ操体」
上川名おさむ氏の「多次元操体法」
加藤廣直氏の「理学操体」

などがあります。

この小松 広明先生の操体法セミナー「STRONG MIND~アメリカで操体法を伝える若き治療家~」をご覧になりたい方は、カイロベーシック公式LINE「手技Online」への友達登録でご覧いただけます。

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