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【茨木英光】静止膜電位の脅威

みなさまこんにちは。
今日は神経の静止膜電位についてのお話です。

生理学を勉強し始めて、最初に出てくるのが神経の伝導。
刺激の無い状態だと、神経細胞の中は、外に比べて約マイナス75ミリボルト。

75ミリボルトって、0.075ボルト。
ぜんぜん大した事のない、微弱な電流が流れているんだな。
ずっとそう思っていました。

でもある生物の先生の動画を見て考えが変わりました。
細胞膜を乾電池の大きさに置き換えると
静止膜電位は65万ボルトになると説明しておられました。

細胞膜の厚みは約8ナノメートル
この薄い膜で75ミリボルトの電位差を保っています。

一方乾電池は5センチの長さで1.5ボルトの電圧です。

8nm:5cm=75mv:xv

単位を揃えるのが大変ですが、ぜひ計算してみてください。

何度も計算し直しました。
単位がにズレがないか。
何度計算しても65万ボルトになります。
65万ボルトの乾電池ってどれだけすごいんでしょうか!

サランラップでダムの水圧に耐えているかのようです。
細胞って猛烈な電圧の中で生きてるってことなんです。

ということは、隙あらば細胞内にプラスイオンが侵入しようとしてくる状態にあります。
それを一生懸命ナトリウムポンプでかき出してる。
そしてポンプが働くなったら細胞は死を迎えます。

私たちの食べたエネルギーの約半分は
このナトリウムポンプを回すために使われているそうです。
第2の心臓は、このナトリウムポンプだと僕は思っています。

ここからが大事なところで
手技療法において、体の痛みを取ったり、
歪みを改善したりするのは
このポンプを回しやすくし、
静止膜電位をマイナス深くに保持するために
行っているのです。

弱った細胞は静止膜電位がゼロに近づいていくのです。

細胞の負担を減らすように、関節や筋肉の位置を調整して
静止膜電位を保つ施術をする。

生理学っておもしろくないイメージがありますが
こうやって考えていくと
テクニックと密接に関係して勉強することも楽しくなってきます。

いかがでしたでしょうか。
単位を換算することって生理学ではかなり大切なことなんです。

1ナノメートルは100万分の1ミリ
すぐに出てくるように覚えておくと勉強しやすくなります。

ありがとうございます。
茨木英光

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