先生、こんにちは。
茨木英光です。
今日は血圧についてのお話です。
血圧の正常値と聞いて、120~80と答えられる方は多いと思います。
では単位は、となると、え~と、何だっけ?となるかもしれません。
単位はmmHg(ミリエッチジー)です。
正確にいうとミリ メートル エッチジー。
あ、そうそう、mmHgだった。
でもHgってなんだっけ?
Hgは水銀の元素記号なので、水銀柱を120ミリメートル(12cm)押し上げる力が標準血圧の120mmHgということになります。
そういえば昔の血圧計や体温計は水銀でしたね。
なので水銀の血圧計が12cm上昇したところで脈打つ圧力が上腕での血圧なのです。
12cmって大したことないじゃん!って思うかもしれません。
これをmmH2Oに換算してみるといかにすごいかが分かってきます。
H2Oですから、水を押し上げる力です。
120mmHgをmmH2Oに換算してみると約1630mmH2Oになります。
つまり1.6m です。
1.6メートルのプールの底に仰向けで寝て、そこにストローが降りてきます。
そのストローの中の水をピュッと吹き出す力が1630mmH2O 血圧と同じ力なのです。
血圧とはすごい力だったのです。
なので手の動脈をガラスなどで切ってしまうと血は天井まで届くほど吹き出ます。
心臓はこれくらい強い圧力で絶えず血液を押し出しているのですから
運動不足やお酒の飲みすぎなど
心臓に良くない習慣は改めていった方がいいことが分かります。
もうひとつ驚く数字があります。
それは椎間板の水の吸収能力です。
カパンディ関節の生理学によりますと椎間板の水吸収能は250mmHgにも達するとあります。
これをmmH2Oに換算しますと3400mmH2Oになります。
3.4メートルのプールの底からピュッと吹き出す力で椎間板への水が入っていくのです。
これはそこだけに正確に牽引をかけて椎間板を陰圧にした場合に、という条件が付きますが逆に言うと、デスクワークなどで常に圧迫を受けているとそれだけの力で椎間板から水が出ていくということになります。
そう思うと猫背ていることがいかに良くないかが実感として分かってきます。
頻繁に席を立って背伸びをするなど、簡単なストレッチでも効果はありますのでぜひ体を動かす習慣を付けて行きたいものです。
今日は血圧と椎間板の圧力についてのお話でした。
医学書を読んでいて、いろんな数字や単位が出てきます。
赤血球の大きさは約8μm(マイクロメートル)とか。
さらっと読み飛ばしてしまうと、それが実感として湧かないため
頭に入って来ないのですがサランラップの厚みが約11μmだと知ると赤血球とはサランラップくらいの大きさなのか~と、親近感が湧いてきます。
なので血圧の話が出てきたら、自分が1.6メートルのプールの底にいることを想像してみてください。
医学書を読んでいても実感が湧いてきて、楽しく勉強することができますので。
ありがとうございました。
茨木英光