みなさまこんにちは。
今日は塩分の摂取量について考えてみたいと思います。
結論から申し上げますと、
僕は減塩はしなくてもいいと思っています。
自力で排尿できる人は、つまり人工透析を受けていなければ
塩味を楽しく摂取してよいと思っています。
1 体の塩分ってどのくらい?
人間の体の塩分濃度は0.9%です。
60kgの人で計算してみましょう。
人体の約60%が水分と言われていますので、
36kgが水分ということになります。
それの0.9%が塩分ですので
36000グラム×0.009=324グラムになります。
ざっくりと考えますと、
350mlビール缶の中に塩を詰め込んだものが体の中に入っているわけです。
この濃度を厳格に維持しなければならないのです。
少しでも塩分が多くなると口渇を感じ、水を飲みたくなります。
逆に少なくなると、低ナトリウム血症となり、
筋肉も動かなくなりますし、頭も働かなくなります。
生理食塩水って飲んだことがありますでしょうか。
鼻うがいの水として売っているものが生理食塩水と同じ濃度です。
ぜひ一度口にしてみて、0.9%という塩分濃度を「実感」してみてください。
けっこうしょっぱいです。
このしょっぱさの水36kg分を維持できるだけの塩を
口から入れなければならないのです。
2 塩分はどれくらい摂っていいの?
海水の塩分濃度が3%ですから、
それを3分の1に薄めたものが生理食塩水ということになります。
なんとなく想像つくかもしれません。
・1日の食塩摂取量は7~10gくらいが適量と言われています。
角砂糖ひとつが3グラムですから、3つ分です。
ということは、一食で角砂糖ひとつ分の塩しか
摂ってはいけないことになってしまいます。
味噌汁、主菜、副菜、全部合わせて角砂糖ひとつしか使ってはいけないのです。
もう味がしないくらい薄味ということになります。
これで本当に足りるでしょうか。
324グラムの塩分を厳格に維持するには到底足りない気がします。
それに塩分ってそんなに悪者なのでしょうか。
医師の中にも塩分については常に賛否両論がありますが、
僕は特に制限しなくても良いと思っています。
塩分を摂るべき量はその人の運動量や、
季節によってもかなり差があります。
だから何グラムという数字でかんがえるより、
塩気が欲しかったら食べる。
それでいいのではないのでしょうか。
3 塩分は脂肪と違って蓄えられない
司馬遼太郎さんの小説の中で
江戸時代のいちばんの拷問は塩を抜くことだそうです。
牢屋に閉じ込めて、2週間ほど塩を抜くと
体はぐにゃぐにゃになって立てなくなるそうです。
それらい体にとって塩というのは大切なものなのです。
逆に体に蓄えたくてもできないのです。
だから毎食毎食、塩というのはどんな料理にも必ず含まれています。
塩気のない料理などありえないのです。
無人島で生活するなら塩は持っていかなくても海から入手できますが、
山の中でサバイバルをするのなら、絶対に塩を持っていかなければなりません。
狩猟や釣りをして食物を獲る能力があったとしても、
塩だけはどうにも手に入りません。
だから塩は生きていく上で何よりも大切なものなのです。
それに塩分って摂りすぎようとしても、途中で食べるのが嫌になってしまいます。
塩が山盛りかかっているフライドポテトがあるとします。
最初のうちは美味しいと思うかもしれませんが、
すぐに食べるのをやめてしまいます。
逆に塩気の薄いフライドポテトだとしたら、
いつまで経ってもだらだらと食べ続けてしまいます。
だから塩というのは究極のダイエット食品と思うくらいです。
今日は塩について考えてみました。
ぜひ一度鼻うがいの水を買って、口にしてみてください。
実感することで、0.9%という塩分濃度が分かってきます。
コレステロールも2015年に、厚生労働省は
「日本人の食事摂取量基準」からコレステロールの上限値を撤廃しました。
時代とともに基準や価値観も変わっていきます。
だから塩分も常に賛否両論ある中で
自分自身の考えを持つことは大事なことだと思います。
真実を追求する手技療法家になるために
何事も鵜呑みにするのではなく、
自分で考える習慣をつけていくことが大切であり
そこが楽しいところだと思います。
ありがとうございます。
茨木英光