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【茨木英光】アジャストが先か、マニピュレーションが先か

みなさまこんにちは。

今日はアジャストをする際に、
アジャストをしてから体をほぐすのか
それともマニピュレーションを先に行うかを考えてみたいと思います。

私はマニピュレーションを先にしてからアジャストを行っています。
脊椎の矯正とは骨のずれを戻すことではなく、
椎間関節を開くことが目的となります。

カイロプラクティックでいうサブラクセーションとは
直訳で言う亜脱臼のことではなく
関節の可動性が減少して本来の機能を果たせない状態のことを言います。

アジャストの対象になる「椎間関節」
癒着までは行かない可動性減少の状態となっています。

ここで「椎間関節」と表記したことが大切です。
動かすべきは「椎骨」ではなく
あくまでも「椎間関節」だからです。

椎間関節が固いまま、いきなりアジャストを行ってしまうと
関節内の結合組織がひび割れを起こすことがあります。

結合組織とは、簡単に言うと「溜まってきた要らない組織」のことで
コラーゲンとカルシウムとリンの混ざりあったものです。

この結合組織のひび割れを防ぐために
アジャストの前段階として椎間関節の中まで指を入れて
関節内に溜まった組織を「掻き出す」必要があるのです。

そのためアジャストの前に行うマニピュレーションは
周囲の筋肉をほぐすだけではなく
椎間関節の内部まで正確に指を入れて
中に溜まった結合組織を掻き出してから矯正を行います。

患者は腹臥位となり
術者は母指で椎間関節に軽く触れ
前方(床方向)・上方(頭方)に押圧を加えます。

母指が椎間関節に対して正しく触診できていると
コーヒー豆のような縦線の窪みを感じ取ることができます。

そして変位のある側は固く膨らんでいる感じがしています。
この膨らみの中の組織を掻き出すように
頭方に母指を動かして押圧を繰り返します。

椎間関節の中の組織が掻き出されると
始めにあった膨みが小さくなっています。
これで矯正可能な状態となっています。

特にL5と仙骨間の結合組織の掻き出しは重要です。
仙骨底後部には大きな孔があり、
腰椎麻酔ではここから針を入れることに利用されているほどです。

この「L5下の穴」を掻き出すだけでも腰痛は軽くなります。

今日の話をまとめますと

・マニピュレーションを先に行う

・椎間関節内の結合組織を「掻き出す」

・アジャストは椎間関節を「開く」

この3つを行うとアジャストが正しく行えます。

骨を動かそうと力任せにやるよりも
関節を開く目的でアジャストしてみてください。
安全で簡単に動かすことができるようになります。

ありがとうございます。
茨木英光

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