先生、こんにちは。
茨木英光です。
人間関係の基本はギブ・ファーストだとよく言われます。
このことについて最近いろいろと考えるのです。
本当はテイクン・ファーストではないかと。
といってもクレクレ病が良いと言う訳ではなく、人間って、先に受けないと人に与えることはできないのではないか、なんて思うのです。
では、どこで先に受けているかというと、それは赤ちゃんの時にです。
人間は生まれてから何年も保護者に100%依存しないと生きていけません。
まして経済的に自立できるようになるまで約20年も要します。
ここで親からいっぱい愛情を受けていると、人に対しても優しくしたくなります。
愛情も先に受けて、学習しないとできないものなのです。
しかし悲しいことに、一度も愛を受けることなく虐待されて亡くなる子供だっています。
愛が足りなく、心の底から救いを求めている状態で「愛されたいのならギブ・ファーストです」と言われても果たしてできるでしょうか。
ただ怯えきってしまうだけだと思います。
僕だったら到底できません。
心が壊れている時はやはり誰かの助けが必要なのです。
そのような時に助けてくれる人がそばにいると一番いいのですが、そううまく近くにいるとは限りません。
そこでどうやったらうまくテイクン・ファーストを循環できるようになるのか考えてみました。
1 先輩におごってもらったお礼は後輩にする
これが愛の数珠つなぎの基本になると思います。
もちろん先輩にはお礼を言うのですが、先輩に対してごちそうする必要はありません。
先輩から受けた愛は後輩に同じことをしてあげる。
それが親から子へ、上司から部下へ受け継がれて行けば、縦にも横にも愛の行為は広がっていくと思います。
2 助けてくださいと声に出す
生きていると自力ではどうにも解決できない試練に遭遇することがあります。
そういうときはなるべく早く助けになってくれる人を見つけることができれば楽に乗り越えられることができます。
そのためには「助けてください」と恥ずかしがらずに声を上げることです。
今でしたらネットで発信しやすい世の中ですから、経済的困窮や闘病を記したブログやYouTubeなどを発信することで応援や助言を与えてくれる人が現れます。
僕はこの10年間ほど体の痛みに苦しんできました。
心まで壊れてしまっていた僕に対して「ラキさん、あなたならできる」と、ずっと言ってくれたのはFacebookで知り合った友達でした。
その言葉のおかげで、疲弊して固まっていた僕の心は動き出しました。
とてもギブ・ファーストなんてできる状態ではありませんでした。
このメルマガを読んでいるあなたが、もし今苦しい状態にあるのなら誰かに今の状況を聞いてもらえるように何か行動を起こしてください。
多くの人に知ってもらってください。
自分では知らない解決法を教えてくれる人が現れたりするものです。
3 彼岸を渡るシャトルになる
幸せに暮らしている人と、痛みや悩みで苦しんでいる人との間には大きな隔たりがあります。
この川はとても大きくて、とても自力では渡り切れないのです。
漂流によって27年間無人島で暮らすことを余儀なくされたロビンソン・クルーソーがどうやって無事に帰れたかというと、様々な出来事を通して、連れて帰ってくれる人と出会えたからでした。
そして船に乗せてもらったのです。
イカダ作りなどにも挑戦しましたが、決して彼ひとりの力では不可能でした。
このどうしても渡りたい向こう岸、彼岸を渡る方法は、向こうからやって来る気球に乗ってでないと渡れないのです。
ですから、様々な出会いによって彼岸を渡ることができたなら、次は自分がその気球の操縦手となるのです。
それは痛みを知った者だけが味わえる使命であり、喜びでもあります。
今度は自分が気球に乗って彼岸を再び渡り、多くの人を連れ戻しに行きましょう。
闘病を経験した人が医療従事者を志すというのは、正に彼岸を行き来するシャトルとしての生き方ではないでしょうか。
手技療法家の私たちも、そのようなきっかけでこの職業を目指した人も多いと思います。
僕は現在は、10年間続いた痛みからようやく抜け出すことができつつあります。
それは、適切な治療法を受けることができたことと、励ましてくれた人との出会いによってでした。
決して自分では何もする力がありませんでした。
愛を受けて立ち上がることができたこれからの人生は半分は自分の幸せのために、もう半分は貢献のために、そのように命を使って生きたいと思っています。
もしあなたが今苦しんでいるのでしたら良い出会いがありますように。
後のあなたの力となりますように。
今日もお読みくださいましてありがとうございます。
関節マスタードットコム
茨木英光