肩甲骨と肩こりの関係
肩甲骨とは、「肩胛骨」と呼ばれることもあり、背部から肋骨を覆っている三角形状で肩に一対になっている骨のことを言います。
肩こりの原因の多くは、肩甲骨が影響していると考えられています。
肩こりの原因となっている筋肉にはさまざまありますが、僧帽筋を中心となっています。僧帽筋とは首の後ろ側から肩、背中にかけて幅広く張り付いている筋肉のことです。
僧帽筋のほかにも頭半棘筋、頭板状筋、頚板状筋、肩甲挙筋、棘上筋、小菱形筋、大菱形筋といった16の筋肉が関連していますが、いずれも肩甲骨の周辺にある筋肉となっています。
肩こりになって首を回す人は多いのですが、それだけでほぐれる筋肉はごく一部であることが分かります。
特にそれらの筋肉の血流が悪くなる原因の多くが肩甲骨の歪みによるものですから、調整することによって改善させることが大いに期待できるのです。
なぜ肩甲骨の調整が必要なのか
肩こりには、肩甲骨の調整によって改善させることができます。
肩甲骨の可動域と周辺筋肉のバランスが悪くなっていることが多いからです。
肩こりの診断を触診で行うと、僧帽筋を中心として痛みが生じていることが少なくありません。
筋緊張によって血流が悪化しており、肩こりが慢性化しているのです。
わが国において肩こりを有している人の割合は3割から4割であると言われています。
国民病と言ってもいいのかもしれません。
肩こりに多い3つの原因として、
であると考えられています。
特に多いのが姿勢不良による肩こりです。
姿勢が悪くなることによって肩甲骨が外側に開くようになり、さらに猫背になりがちになるという悪循環に陥ってしまいます。
肩こりが慢性化している人をチェックしてみると、姿勢が原因であることが少なくありません。
デスクワークが多い人であれば、肩甲骨周辺の筋肉に緊張を起こしやすいと言えます。
特にパソコンを使うような場合に多く見られますが、手指を酷使することによって無意識に姿勢が悪くなりやすいからだと考えられます。
さらに運動不足によって血流が悪化してしまい、肩甲骨の周辺筋肉と肩甲骨のバランスが悪くなってしまうのです。
肩こりを改善させるには姿勢が大事ではありますが、このように無意識に姿勢が悪くなってしまうことがほとんどです。
しかし肩甲骨を調整してやると、肩甲骨と筋肉のバランスが良くなりますから、自然に姿勢も整ってくるのです。
肩甲骨の調整「肩甲骨はがし」とは
肩甲骨の歪みは、僧帽筋を中心にさまざまな筋肉に悪影響を与えますから、肩こりはもちろんのこと、腰痛や頭痛、首こりなども引き起こす原因となってしまいます。
中には肩こりが酷すぎて、吐き気やめまいを引き起こしてしまうことも少なくありません。
ストレッチなどで筋肉をほぐす方法もありますが、ここまで症状が重くなってしまうと、肩甲骨の調整が必要であると言えるでしょう。
肩甲骨の調整はこのような症状を改善させるためにとても有効です。
調整方法として知られているものに「肩甲骨はがし」があります。
「肩甲骨はがし」とは、肩甲骨周辺の筋肉の緊張をほぐし、肩甲骨と筋肉のバランスを良くする方法のことを言います。
肩甲骨周辺の筋肉が緊張を起こすと、肩甲骨が肋骨にへばりついてしまうために、肋骨と肩甲骨のすき間に手を差し入れて剥がすようにして調整を行います。
肩甲骨の調整の重要性
肩甲骨は肩をスムーズに動かすために重要なパーツというだけではなく、呼吸においても影響を与える骨であると言われています。
呼吸をしていると肩甲骨が動いていることも分かります。
可動域が悪くなってしまったり、周辺筋肉が緊張してしまうと、呼吸が浅くなりがちになってしまうのです。
そのようなことから考えても、肩甲骨の歪みがそのまま自然治癒力にまで影響を及ぼすといっても過言ではないでしょう。
単に姿勢が悪いと済ませるものではなく、やはり肩甲骨の調整が必要となってくるのです。