整膚(せいふ)とは
『整膚(せいふ)』とは、中国の徐堅先生が考案したという手技療法で、皮膚を引っ張ったり、つまんだりすることによって免疫力を高めて健康に導く独特な施術法です。
1992年に始まったとされており、歴史の浅い施術法ではありますが、すでに世界10か国以上に普及していると考えられています。
一般的な手技療法の場合には、マッサージのようにもんだり押したりといったものをイメージしますが、この整膚は軽くつまんだり、優しく引っ張ったりすることが特徴的です。
このつまんだり、引っ張ったりする手技を「肌を耕す」と表現されることがありますが、まさに畑を耕すような施術法であると言えます。
畑を耕すという作業は、桑によって畑の土に空気と栄養素を循環させるものです。
肌を耕す整膚においても、皮膚を軽くつまみ、優しく引っ張ることによって、血液やリンパの流れを促進させて、免疫力を高めるというものなのです。
整膚(せいふ)の特徴
整膚は、皮膚を耕すように優しくつまんだり引っ張ったりする施術法ですから、お年寄りはもちろんのこと、生まれたての赤ちゃんにおいても施術を受けることができるというものです。
皮膚をつまんで引っ張ることによって、皮膚の下に血液が集まるようになります。
皮膚から手を離し元踊りにすると、血液も元通りに流れようとします。
つまり、皮膚をつまんだり離したりすることによって、その部位に心臓のようなポンプのような作用をもたらすのです。
健康を損ない体調が悪くなったり、痛みやコリが生じるようになると、身体の血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなってしまうと、皮膚や筋肉の弾力が失くなってしまい、さらに血流が悪くなってしまう悪循環に陥るのです。
整膚では、この働きが衰えている皮膚や筋肉に直接刺激を与えることによって、弾力性を取り戻すと同時に、血液の流れを取り戻すことができます。
すると、内臓の働きにまで影響を与えるようになり、身体機能を調整できるようになるのです。
整膚のメカニズム
整膚は皮膚を軽くつまんで、引っ張ることによって血流を改善させ、免疫力を高めるという施術法になります。
身体中の血液が滞ってしまうと、たちまち免疫力が鈍くなってしまいます。
血液の流れを私たちは意識することができませんが、病気やケガをした際には、この免疫力によって整えているのです。
「薬を飲んだから治った」と感じていても、薬はあくまで免疫力のサポートをしているだけであって、私たちに備わっている力によって治しているのです。
つまり、免疫力が高いと、そもそも病気になりにくいと言え、仮に病気になったとしても早く治すことができます。
同じ病気でも、免疫力が低くなっていると、こじらせてしまったり、なかなか治らなかったりすることも多くみられます。
そのため、病気にかかりやすくなっていたり、病気が治りにくいと感じている場合においては、免疫力が低下しているのかもしれません。
この整膚の効果は、そういう意味においてみれば、免疫力を高めるスイッチを入れるようなものであると言えます。
私たちの身体には、あらゆる部分にも血液が流れるようになっていますが、これは新鮮な酸素を送り込み、不純物を除去させるためであると知られています。
整膚においては、皮膚そのものを最大の臓器として捉えます。
この臓器を手指によって動かしてやることによって、血流の滞りをなくしていくのです。
整膚の効果
整膚の施術において皮膚を引っ張ることによって、皮膚に陰圧力が生じ、毛細血管の血流がたちまち良くなります。
その結果、皮膚状態がよくなってきます。
皮膚は血流量が低下していると硬くなってしまいます。踵が硬くなってしまう理由は、常に圧力をかけているからだと言われています。
整膚によって血流が良くなると、皮膚の弾力性が改善し柔らかくなってきます。
皮膚の引き締めにも効果的であるために、しわやたるみ対策として美容ジャンルでも応用されています。
血流量が増えると、気血やリンパの流れも改善するようになります。
免疫力が高くなると同時に、脳内ホルモンの分泌も活発になることから、リラックスや癒しの効果も高いと考えられています。
理学操体 加藤廣直先生の「皮膚の操体」とは
皮膚を軽く引っ張っることによって血流を良くし免疫力を高めることができる「整膚」。
とても手軽にできる半面、人間の皮膚の奥深さを思い知ることができるのではないでしょうか。
そのため、やみくもに皮膚を引っ張っても思うような効果が出ないことは当然のことであり、きちんと理論を学んでいく必要があることは間違いありません。
ここに皮膚に着目して施術を行い、その手技の普及に取り組まれている一人の施術家をご紹介します。
「理学操体」を考案した、ひふみ健康院の院長、加藤廣直先生です。
加藤先生は整体院を開業してから、理学療法士の資格を取得。
病院で整形・中枢疾患のリハビリで経験を積み、現在の健康院を開院します。
今昭宏先生から操体法を学び、自身の理学療法の視点を融合させた「理学操体」を提唱。
臨床に取り入れることによって結果を残されています。
加藤先生が提唱する理学操体の中には、「皮膚の操体」と呼ばれる手技があります。
皮膚は頭から足先まで1枚の皮で覆われていて、脳や神経と同じ部分からすべて繋がりあっています。
つまり私たちの身体の中で最大の感覚器官であるといえるのです。
加藤先生の皮膚の操体を見てみると、皮膚に動きを加えることによって、すべての人に備わっている自然治癒力を引き出していることが分かります。
押したり、揉んだり、伸ばしたり、関節を調整してもなかなか緩まなかった部位でも、皮膚に対してアプローチするだけで一瞬に緩んでしまうのです。
ただ、その方法は難しいものではなく、誰でも確実に習得することができます。
この加藤先生の理学操体を学ぶには、『理学操体セミナーDVD<皮膚の操体>』がおすすめです。
いま体系的にこの皮膚の操体を学べるのは、「理学操体」だけであると言われています。
このセミナーにおいては、映像を見ただけで実際の臨床で活用できるように分かりやすく解説されています。
セミナーの収録時間は約5時間というビッグボリュームになっています。
公式サイトからはサンプルムービーをご覧いただくこともできますから、まずは「皮膚の操体」がどのようなものなのか、じっくりとご覧ください。