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【茨木英光】塩分だけが悪者?

みなさまこんにちは。
今日は塩分高血圧について考えてみたいと思います。

高血圧と聞くと、すぐに減塩を思い浮かぶのではないでしょうか。
実際に病院でもそのように指導されています。

塩分を摂りすぎると血管抵抗が増大するというのが、その理由です。
しかし、血液をドロドロとさせてしまうのは塩分だけでなく
すべての栄養素ではないでしょうか。

「飲んだ水が尿として出ていくまでの経路」
これを考えてみると分かりやすくなります。

つまり、食べた栄養素が筋肉や骨までに届く経路と同義となります。
それを順番に追って見てみましょう。

食事でいただいたお肉、お米、飲み物
すべてが混ざって分解されて、
タンパク質・糖質・脂質・水分・塩分として
小腸から吸収されます。
ドロドロのミックスジュースです。

小腸から吸収されたこのミックスジュースは、
門脈を通って肝臓に行きます。
ここで肝動脈から来た血液と混ざって、
ドロドロトマトジュースとなります。
そこで解毒されて、下大静脈を通って右心房に入ります。

右心房には全身から戻ってきた血液も合流しますので
さらに血液が混ざったジュースとなります。

右心室から出たジュースは肺へ行き、ガス交換が行われます。
そして左心房へ戻り、左心室から大動脈弓へと出て、
そこからようやく全身の筋肉、骨、脳などに
この栄養たっぷりのジュースが行き渡るのです。

この経路を見ると、
心臓は必ずドロドロジュースが通過しなければならない
ことが分かります。
タンパク質や脂質は水に溶けませんから、特にドロドロしています。
これらは血管抵抗を上げる要素になっていませんでしょうか。
しかし塩分や糖質は水に溶けますから、それほどドロドロしていません。

だとすると、
塩分だけがやり玉にあげられるのは、
どうも違う気がしています。

つまり食べ物が血圧上昇の原因とするならば、
それは「食べ過ぎ」が悪いのではないでしょうか。

ドロドロジュースと書きましたが、
もちろん脂質やタンパク質は必須栄養素です。

しかし過食が習慣化して、体重がかなり超過となっている人
すべての栄養素が血液ドロドロの要素となり
血圧上昇の原因となってしまうと考えられます。

そのため血圧が高くて、かなりの肥満を伴っている場合は
減塩をするのではなく、食べる量を減らしていく必要があります。

塩分は体に絶対必要なものですから、
僕は減塩は良いことととは思っていません。
それよりも適正体重まで戻していくことを目指したほうが健康的です。

ではその人にとっての適正体重とはどれくらいなのでしょうか。
いろいろな計算方法がありますが、
「体が軽くて動きやすい」と思える状態が、
その人にとってベストな体重なのでしょう。

あまり減塩ばかり気にしていると、筋肉も動かなくなりますし
脳も働かなくなります。
低ナトリウム血症の方がよっぽど危険なのです。

昔から言う「腹八分目」とはまさに金言です。
血圧が気になる方は、塩分だけに注目するのではなく
食べすぎていないか、もう一度確認してみてください。

ありがとうございました。
茨木英光

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