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【茨木英光】テクニックを上達させるコツ 胸椎編

みなさまこんにちは。
今日はテクニックを上達させるコツについて
胸椎を例にしてお話していきたいと思います。

患者さんがうつ伏せとなり、
術者が母指で背中を押圧することは
施術においてよくあります。
術者が最初に学ぶ施術ではないでしょうか。

先月お話いたしました、
手の広い面積でファーストタッチをした後
母指で背中を押していきます。

この時に頭側から腰に向かって押していくのか、
それとも腰の方から上がって行くのか。

僕はあまり重要ではないと思っています。
でも実際の施術の流れとしては、
ファーストタッチで肩甲骨を優しく触り、
その後上部胸椎から下がるように押圧をしていきます。

それよりも大事なことは、関節面を意識した押圧です。
簡単に言うと、術者が患者の頭方を向いて押圧するか、
足方を向いて行うかと言うことです。

この答えは必ず頭方を向いて押圧をしなければなりません
では胸椎の関節面について見てみましょう。

胸椎の関節面

胸椎の関節面は前後面となり、
屋根瓦のような構造をしています。
その角度は立位で60度とかなり急な角度となっています。

押圧するベクトルを胸椎の椎間板まで到達させるためには
まず頭方に向かって60度の角度で押圧していきます。

しっかりと自分の指の圧が奥まで伝わったと感じたら、
次に真下に向かって、
椎間板の前方に向かって押圧をしていきます。

押圧がもっとも深いところまで伝わったと感じても
すぐに指を離してはいけません。
2秒くらいはそこで静止してください。

「ため」とか「残心」とでも言うのでしょうか。
押圧によって椎間板に陰圧の力が加わって
周囲の組織から水分が流れ込んでくるのを待つのです。

なのでテンポの良すぎるマニピュレーションというのは
あまりおすすめできません。
ザクッ、ザクッ、というような感じの押し方は効果が出にくいのです。

感覚的表現するとこんな感じでしょうか。
グッ   60度の角度で椎間関節の中にベクトルを加える。
グイッ  椎間板に沿って真下に押圧をしていく。
ジワーッ 陰圧になった椎間板に水分が入ってくる。

ただ単に背中を押しているように見えても
椎間関節の角度や、椎間板の前方にまで自分の押圧を
届けようとして施術を行うと
効果は全く違ったものとなってきます。

術者が患者の頭方から押さえてはいけない理由はこのためです。

あと、猫背がきつい患者さんには
胸椎枕などを敷いて体が辛くないように行うことも大切です。

まとめますと、
・椎間関節の沿ってベクトルを進入させていく。
・ベクトルは椎間板の前方にまで到達させる意識を持つ。
・すぐに離さないで残心を意識する。

これだけでも患者さんはかなりの安心感を持っていただけます。
テクニックを上達させるには、関節面の角度という
やはり解剖学的な知識が不可欠なのです。
これからも一緒に勉強していきましょう。

ありがとうございます。
茨木英光

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