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【茨木英光】背骨のゆがみを正せば何でもなおるのか

みなさまこんにちは。

今日は私の手技療法のイメージについて
学生の頃に思っていたことと、今の考えについて
お話したいと思います。

カイロプラクティックを学び始めた10代の頃は、
背骨の歪みを直せば腰痛だけでなく
様々な病気まで治せる
そう思っていましたし、そう習ってきました。

心臓疾患や、内臓疾患も、
原因は背骨のゆがみであると。

しかし開業して、
実際に患者様の施術に当たるにつれて
疾患のすべてを背骨に起因する考え方は薄れて来ました

■カイロプラクティックの歴史の始まり

カイロプラクティックの始まりは、
創始者のD.D.パーマーが、
使用人のハービーが20年以上難聴であることを知り
体を調べてみると、胸椎にゆがみを発見しました。

そこを手で押し込んでみると、
彼の難聴がその場でよくなったという逸話です。

後に息子のB.Jパーマーは、
D.Dの矯正したのは頚椎だったと訂正しています。
この話を学生の時に聞いたとき、

「カイロプラクティックってすげー!」
って大きな期待感を抱いたものです。

しかし、なぜ胸椎を矯正して難聴が治ったのか
その説明は学校では教えてくれませんでした。

ただ「背骨のゆがみが治ったら神経の流れが良くなって
難聴も良くなったのだ」とだけ教わりました。

皆さんはハービーの難聴が治った理屈を
どのように仮説を立てますでしょうか。

僕はB.Jの言う、
頚椎の矯正の方が難聴が治る確率が高い気がしています。

難聴が起こる原因は内耳のリンパ液の水圧上昇だと考えます。

第8脳神経の前庭蝸牛神経は自律神経の成分である
内臓運動性はありませんので
ストレスや交感神経の亢進などで、直接難聴にはなりません。

外リンパ液は脳脊髄液と交通していますので
頭蓋内の脳脊髄液の水圧が上昇すると
内耳の水圧も上昇します。

頚椎に変位が起こると、頭の前方すべりが起こります。
顎を突き出した姿勢となるわけです。

そうなると大後頭孔と環椎椎孔にずれが生じて
脳脊髄液が頭蓋内から脊髄へと流れ出にくくなってしまいます。

その結果頭蓋内圧が上昇して
内耳の水圧も上がって難聴になるのです。

これが手技療法家としての
私なりの難聴の病態生理です。

なので、もし私がハービーの治療をさせてもらえるなら、
B.Jと同じく上部頸椎の矯正をすると思います。

このように病気の原因を論理的に考えることが大切であって、
開業して実感したことは
何でも矯正すれば自動的に病気が治るものではありませんでした。

何が病気の原因となっているのか
手技療法家としては、構造的に原因の仮説を立てることから
すべては始まります

狭心症や心筋梗塞の方に対して、
上部胸椎を矯正したって治りません。

頭痛の患者様に、やみくもにどこかを押圧することよりも
脳圧を下げる施術を行ったほうが喜んでくださいます。

自分なりに症状の原因を考えていくうちに
痛みのある部位に注目していくようになっていきました。

木を見て森を見ずという言葉がよく使われますが
僕はまず山火事となった火元に注目します。

腰が痛い方にはまず腰の治療
便秘の方には大腸の可動性

体全体のゆがみを見ることは
腰が治ってきてから行います

まず痛みのある患部を治し
改善してきたら全体のゆがみを見る
これが僕の施術の方針です

背骨を矯正しても自動的に便秘は治らないと思っています。

しかしこれは僕の考え方であって
違う考え方がいっぱいあっていいと思っています。

大切なことは、患者様の症状を聞き
その上で仮説を立てて施術を行い
改善するかどうか検証する

その自分で考える力が必要であると思います。

D.D.がハービーの難聴を治せた理由を
思い巡らせてみることも楽しいのではないでしょうか。

ありがとうございます。
茨木英光

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