キネシオロジーとは、筋肉反射によって心身のバランスを調整し、自然治癒力を高めながら健康を引き出す方法です。
東洋医学の五行や経絡の流れがベースとなっており、骨や筋肉のずれなど身体状況に着目するだけではなく、ストレスや栄養状態などあらゆる観点から最適な治療法を見つけ出すことができます。
またタッチフォーヘルスと呼ばれる、手で触れるといった簡単な手技によって、健康を引き出すこともできます。
施術者にとっては最適な施術に繋げることができる理論となりますし、一般の方でも常に健康を引き出すことができますから有益な健康法だと言えるでしょう。
目次
キネシオロジーとは
『キネシオロジー』とは、1963年にアメリカのジョージ・グッドハート博士が発見した治療法であり、生理学・生体力学・心理学の観点から運動原理を捉えている特徴を持っています。
カイロプラクティックをベースとして、解剖学、神経学、生理学、心理学、栄養学などの要素も取り入れながら体系化されました。
特徴的なものに「筋肉反射テスト」と「タッチフォーヘルス」があります。
順番にご説明していきましょう。
キネシオロジーの特徴「筋肉反射テスト」
キネシオロジーの特徴のひとつとして「筋肉反射テスト」による診断方法が挙げられます。
筋肉反射テストとは、体や神経の状態を知るための診断方法であり、この筋肉反射によって心身のバランスなどに気付くことができ、必要な治療法を探ることができます。
筋肉反射テストは、単に揉みほぐしたり叩いたり摩ったりするのではなく、筋肉を動かす作用によって神経の流れをチェックしていくものです。
無意識に現れる体の反応を読み取っていきます。
私たちの体は心と密接に繋がっており、体調不良から心が弱ってしまったり、心の状態から体調不良を引き起こすこともあります。
しかし体と心と別々に診断されたり、治療されることがほとんどで、心身の状態を総合的に捉えるということはそれほど多くないことが分かります。
そのため体に現れる筋肉反射を活用して、身体のバランスを整えるためのスイッチをみつけ、自然治癒が高めるためのアプローチを行っていくのです。
キネシオロジーのアプローチ方法「タッチフォーヘルス」
キネシオロジーにおいては、タッチフォーヘルスというアプローチ方法によって、心身の両側からバランスを調整することを目的としています。
筋肉反射テストにおいては、身体の状態やバランスを掴むことができ、また栄養やホルモンバランス、ストレスなどメンタルヘルス面の状態も掴むことが可能です。
それらの状態に応じてバランス調整を行うための手法がタッチフォーヘルスです。
例えば痛みやコリがある場合、その部位に炎症が生じている可能性もありますが、ストレスから引き起こされているような場合もあるでしょう。
炎症による痛みである場合、服薬や身体のバランス調整などによって緩和させることができるかもしれませんが、ストレスが原因の場合であれば別のアプローチが必要になります。
つまり体に現れている状態の根本的な原因にアプローチするのがタッチフォーヘルスの考え方になるのです。
そのため身体の痛みやコリが緩和されるということだけではなく、心で感じている苦しみが和らいだり、やる気がみなぎったり、他者を思いやるようなことにも繋がります。
キネシオロジーの『筋肉反射テスト』とは
キネシオロジーの筋肉反射テストは、心身の機能を検査するための診断方法です。
東洋医学をもとにしてバランスを崩している箇所を見つけて、最も必要なアプローチ方法を探っていきます。
どのようなものなのか深く掘り下げていきましょう。
筋肉反射テストの考え方
筋肉反射テストは、筋肉から心身の状態を聴くことにあります。
例えばストレスを強く感じる際には何をする気力もなくして、身体に力を入れることができず、活力を失っている状態にあります。
つまりストレスによって、筋肉が弱っている状態だといえます。
反対にやる気がみなぎっている際には、健康を感じて姿勢が伸び、スムーズに行動ができるのではないでしょうか。
このような状態の変化から見てみても、心と体が互いに影響を与えていることが分かります。
しかもこのようなわかりやすい状況だけではなく、ほんの少しでも嫌だと感じる場面や苦手なものに遭遇したときにも体や筋肉に対して影響を与えているのです。
これは実際に力の強弱をテストしてみると分かるのですが、とてもやる気がみなぎっているときの筋力と、ストレスを感じる場面の筋力には大きな差があります。
体の反応を通して、ストレスを感じていることを体は教えてくれています。
筋肉にはこのような作用があり、さまざまなシーンで活用できますから、キネシオロジーにおいても大事なテクニックだと考えられています。
筋肉反射テストで何が分かるのか
施術レベルで言いますと、このようなことが筋肉反射テストによって知ることができます。
現在悩まされている痛みやコリ、体調不良などの原因を掴むために大変有効な検査方法で、またその改善のためにどのような施術方法を活用するのがベストなのか確認することができます。
またその施術方法を活用する際に、どのように施術すればいいのか、どの経穴にアプローチすればいいのかといったことまで知ることか可能です。
筋肉への反射をテストしながら施術することができますので、施術者だけではなく、施術を受けている人もその効果や変化を確認することができるといったメリットもあります。
また施術レベルの話だけではなく、人間関係や働き方、人生観、倫理観など、幅広く応用することも可能です。
キネシオロジーの『タッチフォーヘルス』とは
『タッチフォーヘルス』とは、1970年代にアメリカの医師であるジョン・シーが見つけた治療法で、心身のバランスを整えることによって健康に導く方法になります。
アメリカにおいては、医療従事者に幅広く取り入れられています。国家資格として認められていたり医療保険で適用されている国も存在します。
施術者だけではなく、一般の方でも学ぶ人が増えています。
タッチフォーヘルスの考え方
タッチフォーヘルスは、手で軽く触れるだけで簡単に取り組める健康法です。
考え方の背景には、東洋医学・西洋医学・心理学・栄養学などがあり、これらを統合して「体」「心」「食事」から健康にアプローチできるように体系化されています。
施術者が補助的に活用することはもちろんのこと、一般の方の健康法としても幅広く取り入れられています。
いずれの方法においても、筋肉反射において反応をみながら、どのような方法があるのか掴んでいくことによって適切に対処することになります。
とはいえ軽く触れるだけの健康法ですから、実際に半信半疑で取り組んだ方々においても体が軽くなったり、痛みが軽減したり、気分がラクになるような変化を感じています。
タッチフォーヘルスの可能性
タッチフォーヘルスは軽くタッチするだけの健康法ですので、強く刺激することや医療器具、薬剤、施術用ベッドなど、何も必要にはなりません。
筋肉反射によって筋肉を検査し、14経絡・気の流れに着目します。
筋肉のバランス調整、神経リンパポイントの活用などによって、痛みやコリを軽減させるだけではなく、感情のコントロール、ストレスの緩和なども目指します。
医療従事者や施術者、セラピストなどだけではなく、一般の方でも使える安全なテクニックであると言えます。
もちろんプロの施術者の場合、施術の補助的な役割として活用することもできますから、施術の幅を拡げることができるでしょう。
また痛みやコリの原因を本人が確認しながら取り組むことができますから、施術者に対する信頼感も高まることは間違いありません。