目次
マッサージの基本手技とは
マッサージによって、疲労物質を取り除き、血流を高めることによって免疫力を向上させ、痛みやコリを改善させることができます。
マッサージの施術で行われる手技にはさまざまな種類があり、その手技を使い分けることによって、最も効果を与えるようにできます。
痛みの改善、疲労の回復など、その目的や施術するタイミングによって、活用する手技も異なります。
手技の持っている特徴を理解し、正しく運用することが大事です。
マッサージの基本手技①軽擦法
軽擦法(けいさつほう)とは「擦る(さする)」「なでる」ことによって血液やリンパの流れを促進させ、痛みやコリ、痺れ、冷え、浮腫などを改善させる方法です。
軽擦法は血流やリンパの流れに沿って行うもので、末梢から中枢部の心臓に向かって擦るのが特徴です。
皮膚の新陳代謝を促進させることができ、免疫力が向上することによって内臓機能を整えることができます。
手掌軽擦法
自身の手掌全体を活用して、部位に当てた状態で軽く擦っていく方法です。
手や足で活用する際には、指先から心臓に向けて揉むようにします。
手根軽擦法
拇指球と小指球を患部に当てて、擦っていく方法です。
手掌よりもより刺激を与えたい場合に活用する軽擦法となっています。
拇指軽擦法
拇指の指腹や指尖などを使い分けて、擦ったり揉みほぐす手技です。
拇指を部位に対して直覚に当て、均等に力を入れていきます。
四指軽擦法
拇指以外の指を活用して行う手技です。
指腹や指尖を活用する手技と、4本の指先を揃えて行う手技があります。
二指軽擦法
拇指と示指で部位を挟んで、擦ったり揉みほぐす手技です。
挟んだ指の力のバランスを取るために示指に間指を添えて行うこともあります。
指顆軽擦法
握りこぶしを作り、4本の指の背面部分において擦っていく手技です。
背部や足の裏などの活用することが多くなっています。
マッサージの基本手技②揉捏法
揉捏法とは、対象の部位に対して揉んだり捏ねたりする手技です。
主に筋に対して行う手技で、手を相手の部位に密着させて適切な力を入れて施術します。
手掌揉捏法
手掌を活用して揉んだり捏ねたりする手技です。
部位に手掌をあて、末梢の指先から中枢部の心臓にかけて施術を行います。
手根揉捏法
手根を活用して揉んだり捏ねたりする手技です。
臀部の臀筋に対するマッサージで用いることが多くなっています。
拇指揉捏法
拇指の指腹を活用して、揉みほぐす手技です。
拇指を部位に対して直角に当てることが重要で、力を均等に入れる必要があります。
四指揉捏法
拇指以外の4本の指を活用して、揉んでいく手技です。
指の指腹を活用し、中枢部の心臓に向けて揉捏していきます。
二指揉捏法
拇指と示指を活用して、つまむようにして揉んでいく手技です。
狭い部位のマッサージには有効な方法です。
双手揉捏法
両手掌を重ねて活用し、前後に動かすように揉んでいく手技です。
主にセルフマッサージで活用する方法で、腹部や太ももなどで活用します。
肘揉捏法
肘を活用して揉んでいく手技です。
ピンポイントで大きな力を入れて揉みほぐす際に有効な方法です。
マッサージの基本手技③圧迫法(指圧法)
圧迫法は「指圧法」とも呼ばれることがあり、経穴に対して持続的・間歇的に適度な刺激を与えていくことができます。
両手掌圧迫法(双手手掌持続圧迫法)
手掌全体を活用して指圧する手技です。
手掌を重ねて、対象となる部位に適切な力を加えていく方法です。
拇指圧迫法
拇指を活用して指圧する手技です。
拇指の指腹で経穴を直接刺激することによって、筋肉の緊張を解きほぐしていくことができます。
両拇指を重ねて施術することもあります。
四指圧迫法
拇指を除く4本の指を活用して指圧する手技です。
4本の指の指腹で圧迫し、筋肉の緊張やこわばりを解きほぐしていきます。
マッサージの基本手技④叩打法
叩打法とは、対象部位に対して一定のリズムで叩く方法です。
揉捏法や圧迫法の仕上げで活用することが多く、リラックスして力を抜いた状態で叩いていくのがコツです。
拳打法
軽くこぶしを作って、小指側を活用して一定のリズムで叩きます。
合掌打法
手を合掌した状態にして、小指側を活用して一定のリズムで叩きます。
縮気打法
両手掌を十字にあわせて、両手掌をややくぼませた状態で、手の甲側を活用して一定のリズムで叩きます。
叩いた瞬間に両手掌から空気が漏れる音がします。
切打法
両手を広げて小指側を活用して一定のリズムで叩きます。
交互にリズミカルに叩いていきます。
椀打法(拍打法)
両手掌をくぼませた状態にして、そのまま手掌を活用して一定のリズムで叩きます。
回転叩打法
対象となる部位に施術者の小指側をあて、手関節を回転させることによって叩いていく方法です。
マッサージの基本手技⑤振せん法
振せん法とは、対象となる部位に施術者の手をあて、細かく震わすことによって刺激を与える方法です。
牽引振せん法
上肢や下肢などに対して、軽く引っ張りながら細かく震わすことによって刺激を与えていきます。
指などに対して施術者の母指と示指でつまみ、細かく震わしながら軽く引っ張っていく手技のことを「把握振せん法」と呼ばれることもあります。
きりもみ振せん法
両手掌ではさんで、上下に振るわせるように刺激を与えていく方法です。
圧迫振せん法
拇指を経穴にあてて、圧迫させながら振るわせるように刺激を与えていく方法です。
マッサージの基本手技⑥伸展法
伸展法とは「ストレッチ」と呼ばれることもあり、筋を少しずつ伸ばし維持しながら可動域を広げる方法です。
柔軟性には個人差がありますので、無理は禁物です。
マッサージの基本手技⑦運動法
関節を中心として運動を繰り返す方法で、関節可動域を広げ、筋力アップさせる効果があります。