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アナトミートレインの考え方と機能的ラインの活かし方

『アナトミートレイン』という言葉が浸透しつつあります。
トーマス.W.メイヤー氏が提唱した理論であり、筋や筋膜は複合的に繋がっており、それが「電車(トレイン)」の路線のようであると表現しているものです。

今まではリハビリテーションや施術においては、痛みやコリが生じている筋にスポットをあてるといった考え方が一般的でした。
それでも身体が複合的に繋がっていることは語られてきたことですし、その考えを具体的にしたものがアナトミートレインであると言えるでしょう。
筋膜リリースが取り上げられることが多くなりましたが、アナトミートレインの考え方を取り入れることによって、相乗的に効果が高まるものだと考えられます。

アナトミートレインの考え方

アナトミートレインとは、全身に繋がっている筋・筋膜ライン(筋筋膜経線)のこと。
それぞれが作用しながら姿勢を維持したり、身体を動かしたりできる役割を持っています。

アナトミートレインの「テンセグリティ構造」とは

考え方のひとつとして「テンセグリティ構造」があります。
「テンセグリティ」とは張力と統合を合わせた造語であり、アナトミートレインの理論上で欠かせない考え方になります。

私たちの身体は、その全身が筋膜に包まれていますので、どこかで筋膜のバランスが崩れてしまうと、全身のバランスが崩れてしまいます。
そのためバランスの崩れによって、本来、痛みやコリを生じている部位とはまったく違う部位に違和感を感じるということが起きてしまうことがあります。

例えば膝に痛みを生じている方に対して、膝のマッサージを施して、その場で良くなったように感じても、また同じような症状が現れてしまうことがあります。
これはまさに別の部位に筋膜の歪みが生じていることが考えられます。

「テンセグリティ構造」を活かした施術方法

筋膜の歪みが生じている状況においては、原因となっている部位の筋膜リリースを行う必要があります。
その部位が膝周辺とはまったく違う、首のようなこともあるということなのです。
これがアナトミートレインの考え方の決定的な特徴と言えるでしょう。

全身に繋がっている筋膜ラインが引っ張られるように痛みやコリが連鎖してしまうことが、原因になっていることが多くあるということなのです。
このような症状は、実際にリハビリテーションやリラクゼーションなどの施術に取り組んでいる方であれば、多く経験していることではないでしょうか。
そのため解剖学や運動学的に見ても大変有効な理論ですから、理解しておくことで施術の幅が大きく広がることは間違いありません。

アナトミートレインにはさまざまな機能的ラインが存在する

筋肉自体は独立して存在しており繋がっている訳ではありません。
しかし筋膜はいくつもの筋肉を繋げて作用させる役割を持っており、機能的なラインを持っていることが特徴です。

アナトミートレインはいくつものボディースーツのような存在

アナトミートレインは全身のボディースーツのような存在で、何層かに分けることができます。

例えば皮膚の浅い部分に存在する浅筋膜であれば、アナトミートレインでは浅筋膜において影響があるものであると考えられています。
つまりボディースーツを何枚も着こんでいて、1枚目のボディースーツにおいては、そのボディスーツだけに影響を与えるものだということです。
ボディースーツに当たるのが、筋膜が持っている機能的なラインのことであり、さまざまなラインがあることが知られています。

アナトミートレインの機能的ラインとは

アナトミートレインの理論である機能的ラインを紹介してみましょう。

スーパーフィシャルバックライン(足先から頭頂部までを繋ぐライン)
スーパーフィシャルフロントライン(足趾から頭蓋骨側面までを繋ぐライン)
スパイラルライン(身体に巻き付いて繋ぐライン)
ラテラルライン(身体の両側から骨盤を繋ぐライン)
ディープフロントライン(足底部から顎までを繋ぐライン)

計12のラインが存在すると考えられています。
これらのラインにはそれぞれに特徴があって、同じ方向、同じ深さ、機能的な繋がりなど、ラインを構成する特徴を理解しておく必要があります。
この理解が進むことによって、施術の可能性を大きく広げることができるようになります。

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