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股関節脱臼の整復法について~股関節 痛や股関節症の原因

股関節のしくみ

股関節は、大腿骨と骨盤が連結している部分を指しています。
私たち人間が持っている関節の中では、最も大きいもので自由度の高い関節であると知られています。

大腿骨の付け根は大腿骨頭と呼ばれる球状になっており、この球状の部分がうまく骨盤にはまり込むような形になっています。
骨盤にはまり込んでいる部分は、股関節が正常の場合においては大腿骨頭の8割程度を包み込んでおり、安定して関節を動かせるようになっています。

股関節は自由度がかなり高い関節で、周辺の筋肉と作用しながら足を動かしたり、立ったり、歩いたりすることができます。
周辺の筋肉には、「腸骨筋」「大腰筋」「恥骨金」「大腿筋膜張筋」「縫工筋」「大腿直筋」など、さまざまな筋肉と作用していることが分かります。

股関節の脱臼とは

股関節脱臼は、大腿骨頭が骨盤から外れている状態のことを指しています。

大腿骨頭が骨盤の前方に外れている状態のことを「前方脱臼」、工法に外れているものを「後方脱臼」と呼んでおり、ほとんどが後方脱臼となっています。

股関節の脱臼が起きる原因

膝を曲げている状態や股関節を曲げている状態の時に、前方から膝に対して強い力が加わることによって脱臼することがあります。

例えば交通事故のような状況でよくみられています。
車両の座席に座っている状態で正面衝突し、ダッシュボードに強く膝をぶつけるような場合には、股関節が後方に向かって強い力が加わって、脱臼が生じます。
中には高所から転落し膝から落ちたような場合や、アメリカンフットボールのような競技を行っていて、激しくぶつかった場合に股関節が脱臼することもあります。

ただし高齢者や子供であればそれほど大きな衝撃でなくても脱臼することがあり、生まれつき股関節に脱臼や奇形がみられる子供もみられます。
また人工股関節が脱臼してしまうこともあります。

人工股関節とは、損傷を受けている股関節の損傷部を人工関節に置き換えたものです。
人工的に作られた関節ですから、日常的な動作だけでも脱臼してしまうことがあります。

脱臼は整復によってもとに戻すことは可能ですが、筋肉や神経が損傷していたり、変形性股関節症などによって痛みが生じることも少なくありません。

股関節脱臼時の症状

股関節を脱臼してしまうと、痛みが激しく足を動かすことはできません。
場合によっては脱臼だけではなく、骨折がみられる場合もあり、神経を損傷していることもあります。
神経が損傷されている場合には、痛みだけではなく、しびれが生じることもあります。

先ほどお伝えした通り、後方脱臼の場合、大腿骨が後方に押し出されたような状態になっていますから、足が短くみえることが分かります。
そのまま放置してしまうと、大腿骨頭への血液の循環が悪くなってしまい、骨組織が壊死を引き起こしてしまうことがあります。
速やかに整復しなければ、さらに悪化する二次障害に発展してしまう可能性があるのです。

人工股関節の脱臼

高齢者になると股関節の痛みに悩む人が増えてきます。
多くは大腿骨頭の軟骨がすり減ってしまう「変形性股関節症」によるものだと言われています。

股関節を動かしたり、立ったり歩いたりすると、股関節の骨同士が触れあって痛みが生じてしまうと考えられています。

この股関節痛がひどい場合には、股関節を人工関節にしてしまう「人工関節置換術」が行われます。
痛みを取り除くために有効な手術ではありますが、手術後には脱臼を起こしやすくなってしまう難点があります。

太ももを胸につけるように膝を曲げたり(過屈曲)、膝を内側にねじったり(内旋)、股関節を外側にねじるような動作(外旋)を行うようなことによって、脱臼してしまうことがあります。

脱臼した場合には整復によって元通りにすることは可能ですが、周辺筋肉が硬直しているような場合もありますので、丁寧な整復法によって治療することが大事です。

股関節脱臼の整復法とは

股関節脱臼を伴う痛みに悩む人が多くなっています。
そのような場合には、手技による整復法で股関節の歪みを調整することによって、痛みを改善させることが可能です。

股関節の痛みの原因として、股関節脱臼変形性股関節症などが主なものであると考えられます。
股関節脱臼によるものは、冒頭からもお伝えしている通り、強い衝撃によって脱臼してしまい、整復してもその後遺症に悩まされてしまうというものがあります。

また変形性股関節症によるものも多くなっています。
大腿骨頭の軟骨がすり減ってしまうことにより、骨がぶつかり合って痛みが生じると言われるものです。

症状を抑えるために人工骨頭置換術を受け、脱臼を起こしやすくなってしまい、その脱臼によって股関節痛が生じるという悪循環がみられる方も少なくありません。
ただし軟骨のすり減っている方すべてに痛みが生じる訳ではありません。

脱臼を起こしていたり、脱臼後の後遺症によって痛みが生じている場合には、関節の動きが悪くなることによって、筋肉の緊張が高まり痛みが出現することがあるのです。
股関節に痛みが生じているような場合に、そのまま放置しておくと、股関節の歪みや変形がさらに進んでしまうことになります。

股関節痛だけではなく、腰痛や背部痛、肩こりなど、生じさせる原因となってしまいます。
そのため股関節や骨盤などを中心に、全身のバランス調整がとても重要であり、股関節の調整によって全身に見られる症状が緩和されることも少なくないのです。

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