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外側上顆炎(テニス肘)の治療・ストレッチの方法~症状や原因について

外側上顆炎(テニス肘)の治療

外側上顆炎(テニス肘)は、「トムセンテスト」「チェアテスト」「中指伸展テスト」による反応によって診断されることになります。

トムセンテスト
肘を伸ばしたまま手首を反らすように曲げた状態から手首を伸ばそうとしてもらい、抵抗する力を加え肘の外側の痛みをチェックする方法。

チェアテスト
肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げてもらい、肘の外側の痛みをチェックする方法。

中指伸展テスト
肘を伸ばしたまま指も伸ばしてもらい、患者の中指を上から押さえる力に抵抗した際の肘の外側の痛みをチェックする方法。

治療でもっとも大事なことは、「手を使いすぎない」ということになります。

安静に保つためにサポーターテーピングの使用が有効であり、炎症を起こしている際にはアイシングによって痛みを軽減させることができます。
痛みが強い場合には、ステロイドホルモンといった局部注射が行われることもあります。

また、積極的な治療法として、筋力トレーニングストレッチに取り組むことが有効であるとされています。

外側上顆炎(テニス肘)のストレッチ

外側上顆炎(テニス肘)を改善させるためには、腕を酷使する運動や仕事の前後に、肘や手首、指、肩の屈伸や回旋といったストレッチが有効になります。

具体的なストレッチ方法は次の通りです。

肘を伸ばした状態にして親指を下に手首を曲げ、そのままの状態で反対の手で手首に力を加えていきます。
次に肘を伸ばしたまま手首を反らすようにして曲げ、そのままの状態で反対の手で指を掴み、力を加えてストレッチしていきます。

このストレッチでは、外側上顆炎(テニス肘)の原因となる、上腕骨外側上顆に付着する筋群を伸ばすことができます。

外側上顆炎(テニス肘)とは

外側上顆炎とは『テニス肘』と呼ばれることもあるように、テニスプレーヤーに多くみられる症状です。正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と呼ばれています。

厚生労働省の調べによりますと、2017年10月において全国の総患者数は1万9千人を超えていることが分かっています。
実にテニスプレーヤーの3割から5割程度は経験したことがあると言われています。

発症すると、手首を内側にひねったり、指を伸ばすような動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じるようになります。

外側上顆炎(テニス肘)の症状

外側上顆炎(テニス肘)では、安静にした状態で保っている場合には痛みが生じることはなく、物を持ち上げる動作やタオルを絞るような動作、ドアノブを回す動作などにおいて肘の外側に痛みが生じます。
症状は、少しずつ痛みが強くなってくるようなことから、急に激しい痛みに襲われるようなこともあり、個人差があると言えます、

安静にしておくことが痛みが軽減する場合が多いですが、よく使う動作だけになかなか治りにくい症状であるとも言えるでしょう。
痛みは「短橈側手根伸筋」と呼ばれる腱が炎症を起こすことによって引き起こされることが分かっており、手首や指などを動かしたり伸ばしたりする際に重要な役割を持っている筋肉です。

テニスなどによって腕を酷使していることによって、この短橈側手根伸筋に負担をかけてしまうことになり、炎症が生じてしまうのです。

外側上顆炎(テニス肘)原因

・テニスやバトミントン、ゴルフなど手首や腕を酷使するスポーツ
・運送業や大工、調理師など手首や腕を酷使する職業
・加齢によるもの

外側上顆炎(テニス肘)の原因は、腕を酷使するということや加齢・性別が疾患の発症に大きな影響を与えていると言えます。

テニス肘と言われていることからも理解できる通り、テニスのように腕を酷使するスポーツには要注意です。
ラケットを同じような動作で繰り返し行うことによって短橈側手根伸筋の付け根部分である腱に負担がかかってしまい炎症を引き起こしてしまいます。
さらに、テニスボールを打つ衝撃が、さらに手首や肘に負担となってしまうのです。

スポーツで言えばテニスだけではなく、バトミントンやゴルフ、卓球、剣道などにように、ラケットなどの用具を用いて行う競技をする人に多くみられることも分かっています。

特に注意すべきは、テニスの上級者ではなく、初級者です。
中高年が趣味でテニスを始めるような場合に発症してしまうことが多いと言われます。
先ほどもお伝えした、テニスボールの衝撃が負担となってしまうことが原因として考えられます。

上級者の場合、ボールを打ったときの手応えが最も小さくなるラケットのスイートスポット(スイートエリア)で捉えることができるために、手応えが小さく割に打球に勢いを付けることができます。
しかし初心者の場合であれば、スイートスポットで捉えることが難しいために、手首や肘に余計な負担をかけてしまうことになるのです。
30代以降の場合であれば筋力が低下していることもあり、発症しやすいのです。

またスポーツだけではなく、運送業や大工、調理師、配管工など手首や腕を酷使する職業においてもみられる症状です。

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