頭・首の手技

誇張法とは~その特徴と原理、正しい誇張法を学ぶには

誇張法とは?

誇張法』とは、オステオパシーを実践されてきた齋藤巳乗先生によって考案された施術法であり、「日本版オステオパシー」「オステオパシー誇張法」などと呼ばれることもあります。

オステオパシーには、「頭蓋オステオパシー」と呼ばれるソフトな手技が存在します。
頭蓋オステオパシーとは、頭蓋骨にとても小さな圧をかけ、調整していく治療法のことを言います。

頭蓋骨は23枚の骨が組み合わさって構成されており、呼吸しているように動いていると言われます。
この動きによって脳脊髄液が循環しています。

この循環時の頭蓋骨の動きが僅か4分の1ミリという大きさから、頭蓋オステオパシーにおいてはとても小さな圧をかけて調整することになるのです。

その施術法を学んだ齋藤巳乗先生は、このソフトな施術方法を身体全体に活用することができないかと研究を行った結果、考案されたのがこの『誇張法』なのです。

誇張法の特徴

誇張法のベースとなっているオステオパシーにおいては、関節の歪みを調整することによって自然治癒力が増し、病気を治療することができるというものです。

私たちの身体は、病気やケガなどを生じさせたとしても、自然に治そうとする力を発揮させ、それが薬となり血液や体液などによって全身に運ぶようにできています。

しかし、関節が何かの原因によって歪んでしまった場合、その周辺の血液や神経、筋肉などが圧迫されることになり、本来備わっている自然治癒力が阻害されてしまうことになります。

オステオパシーでは、関節の歪みを手技によって調整することによって、身体にとって良い動きにすることができ、本来の治癒力を元通りにすることができるのです。
誇張法においても、この本来の原理は同じであり、関節を本来の場所に戻してやることによって血液や髄液、神経などの流れを改善させることができます。

身体の滞りを取り除くことができますので、身体全体の血流やリンパの流れが改善し、より健康な状態へと導くことができるのです。

誇張法の原理

誇張法はオステオパシーをベースとした治療法ですが、特徴的であるのは、髪の毛一本分ほどを動かす程度のとても小さな圧を関節や骨にかけていくという点です。
オステオパシーというと、「ポキッ」と音がするような施術をイメージする方が多いとは思いますが、それと比べるとかなりソフトであることが理解できるでしょう。

誇張法の原理としては、ソフトな手技によって関節を本来の位置に動かしてやり、関節周辺の靭帯に備わっている自然治癒力によってアプローチするというものです。

関節が歪んでいる状態というのは、関節の骨が本来の位置にないということですから、周辺の靭帯に対して負担をかけてしまっていることになります。
すると、靭帯が伸びてしまったり、縮んでしまったりして固定されているのです。
この状態で、関節を本来の位置の方向に動かしてやることによって、靭帯が正常の状態に戻ろうとします。

誇張法では、この靭帯の動きの特徴を利用し、施術として活かしているのです。

齋藤巳乗先生の誇張法を学ぶには

齋藤巳乗先生の考案した誇張法がいま注目されています。それは、力を使わないとてもソフトな施術法であり、身体の理にかなった手技療法だからです。

オステオパシーやカイロプラクティックにおいては、比較的強めの圧をかける施術が主流となっており、テクニックを身につけることがとても難しく、また腕力も必要でした。

しかし、この誇張法においては、ほとんど力を使うことはありません。

例えば腰痛に対しては、座位や側臥位でアプローチすることができ、しかも患者自身の自重を利用しながら手技ができますので、女性のように非力であっても施術が可能なのです。

また施術を受ける患者さまの中には、従来からの強い圧による施術法が苦手だとされる方も増えています。

そのため、誇張法の手技を身につけることは、そのようなニーズに応えることができる施術法ですから、施術家においては活躍できるシーンが増えることは間違いありません。

日本パーフェクト整体普及協会について

正しく誇張法を伝えている「一般社団法人 日本パーフェクト整体普及協会」と呼ばれる団体があります。

この協会は日本トップレベルの手技テクニックを持っていると言われる片平悦子先生が代表理事を務めておられ、齋藤巳乗先生が考案した誇張法をベースにして手技療法を普及させているのです。

片平先生は25年間で5万人以上の患者を施術した臨床経験をお持ちであり、実際に齋藤巳乗先生の施術院で8年間も修業した経歴をお持ちです。

2014年に協会を設立され、齋藤巳乗先生の施術院で学んだ手技を「パーフェクト整体」という手技テクニックとして伝えているのです。

誇張法をベースにしたパーフェクト整体は「関節をふわっとゆるめることができる」と注目されている手技です。

片平先生は、身体がどうして痛くなるのか、どうしたら痛みがなく健康に過ごせるのかという問題を研究するなかで、大切だと感じられていることがあります。

それは、

・セルフケアによって、日常的に引き起こされる歪みを改善する
・姿勢を正して、疲れにくい身体を築き上げる
・インナーマッスルや内臓の機能を活かして自然治癒力を高める

実際の臨床現場によって気づいたこれらのポイントを、身体に本来備わっている力を引き出す「パーフェクト整体」によって、健康を取り戻すことができるのです。

片平悦子先生のパーフェクト整体を学ぶ

片平先生のパーフェクト整体は、小さな力で歪みを調整する誇張法がベースになっていることもあり、「関節をふわっとゆるめることができる」といった特徴を持っています。

ただ、小さな力で女性でも施術ができる施術方法ではありますが、それを見てすぐに実践できるようなものではありません。
片平先生自身も、一つの手技を会得するには「最低100人は練習する必要がある」と語っておられる通りです。
知識を得たものを実際に実践すると、70人目あたりから手が骨をしっかりと感じられるようになり、感覚が捉えられるようになってくるのです。

短時間で簡単に身に付くといったテクニックではありませんが、それだけに価値の高い手技療法であることは間違いありません。
本当に力のあるテクニックを追求したいと考えている先生が多数、片平先生の手技を学んでいることからしても、この手技の奥深さを感じられるのではないでしょうか。

片平悦子先生のパーフェクト整体を学ぶには、「パーフェクト整体セミナーDVD<腰痛編>」を視聴することをおすすめします!

パーフェクト整体の理論である、

「関節を正しい位置に誘導する」
「関節のすき間を均一化させ、自動運動できるようにする」
「関節に小さな圧をかけて検査・施術する」

といった誇張法をベースにした手技が、しっかりと分かりやすく解説されているのです。
セミナーでは細かな手の使い方、指の使い方までしっかりとレクチャーされています。

ぜひ実際の臨床で役立てて頂ければと思います。

関連教材「パーフェクト整体セミナーDVD<腰痛編>」