先生、こんにちは。
茨木英光です。
前回は乳がんを防ぐ方法についてお話いたしました。
その中でセルフケアとして
「やさしくマッサージするというより、両手の手掌でバストを外側からしっかりと挟み込んで引っ張るのです。
胸を前に引き伸ばすように行います。
引っ張ったらバストは下垂しないのかと心配する必要はありません。
逆に引き締まります。」
と書きました。
なぜ伸ばすと逆に引き締まるのかについて書きたいと思います。
乳腺というのは弾性線維に富んだ組織です。
弾性線維はエラスチンというタンパク質でできた芯を、微細線維が包んでできています。
ゴムのヒモにチョコレートスプレーをまぶしたような構造になっています。
チョコレートスプレーが何かはアマゾンで検索してみてください。
ドーナツやケーキの上にふりかけるアレです。
そして弾性線維は枝分かれして立体的な網目の構造をしています。
なので弾性線維一本でみても伸び縮みするものですが、網目の構造をとることで、さらに伸縮性を増しているわけです。
弾性線維は引っ張られれば伸び、離せば元に戻るという性質があります。
ゴム紐をマジックで黒く塗っても、乾いた後に引っ張れば塗装はボロボロと剥がれ落ちます。
それと一緒で弾性線維も伸ばすことで、こびりついた脂肪が弾性線維から落ちてくれて本来の柔軟性を取り戻すことができるのです。
弾性線維は膠原線維より引っ張りに弱いという特徴がありますが、それは1平方センチあたり30kgもの強さで引っ張った場合に切れてしまいます。
まさかセルフケアでそれほどの強さで引っ張る人はいませんから、切れるなんてことは考えなくても構いません。
なので胸でもお腹のぽっこりでも、引き締めたい場合には一旦伸ばす施術を行います。
そうすれば反動でキュッと縮みだして、きれいなハリのある体のラインが作れるのです。
キレイな胸を作るために、バストを手掌でグイーッと真ん中へ向かってしぼっていきましょう。
なにもしないことの方が組織の柔軟性を失わせ、たるんだ体型の元凶となってしまうのです。
ということで、今回は弾性繊維についてお話いたしました。
ありがとうございました。
関節マスタードットコム
茨木英光