みなさまこんにちは。
今日は大腸は短くできるというお話です。
便秘の人はよく
「病院で大腸が長いと言われました。」
そういう話はよく聞きます。
大腸は短い人と長い人がいて、
それは生まれつきでどうしようもないことなのでしょうか。
大腸は便秘によって長くなり、
施術やエクササイズで短くもできる
そういうものだと思うようになってきました。
1 大腸の特徴
大腸の特徴を端的に表すと
「蛇腹のホース」と言うことができます。
大腸には半月ひだというシワが存在しています。
それから縦方向には縦走筋という筋層が走行しています。
この縦走筋は大腸が伸びると消失する特徴を持っています。
まさに蛇腹のホースそのままの構造をしています。
2 大腸はなぜ伸びるのか
これは便秘が何よりもの原因です。
便が長時間大腸内に滞留することによって、
腸の中が膨張して半月ひだと縦走筋が消失してしまうのです。
特にガスが溜まって、腸内が膨張すると半月ひだは消失してしまいます。
3 便秘の原因
その原因は2つあります。
ひとつめは人間が直立2足歩行で、肛門が腸の下にあるためです。
そのため、便の重さでS状結腸がどうしても垂れ下がり、
伸びて蛇行してしまうのです。
この下垂腸が便の通過を悪くしてしまっています。
もうひとつが、人間は常に排泄我慢を強いられているというとです。
子どものうちから、休み時間にしかトイレにいけませんし、
大人になって、ほとんどの職業ではトイレに自由に行けません。
それが何十年と続くと、腸の動きが悪くなり、
中年になると縦走筋が慢性的に伸びて来るのです。
4 便秘を治す方法
・便秘を改善するためには、早く起きる習慣をつけて
出勤前に排便の時間を確保する必要があります。
たとえ便がでなくても、トイレに座る習慣をつけていきたいものです。
・食事はしっかりと水を飲みながら
食事の際に、水やお茶を多く飲む必要があります。
水を飲むと胃酸が薄まるので消化に良くない
そう言われますが、それは逆です。
胃酸を十分に胃の内容物と合わさるためには多くの水が必要です。
なので水やお茶をこまめに飲みながら食事をしてください。
食べたものの順番で腸の奥に流れて行きますから
後から水を飲んでも、食べたものとは
もはや混ざり合わないのです。
もうすでに腸の奥で硬い便となっていきますから
柔らかい便を作るつもりで水を飲みながら食事をしてください。
・側屈の体操
体を横に倒す体操が効果的です。
ラジオ体操にあるアレです。
上行結腸と下行結腸は腹壁に直付けされています。
そのため体を横に倒す運動は腸をストレッチする効果があります。
・腸もみはすりこぎで奥まで
腸を刺激するときには表面をさするのではなく
気持ち良い所を奥まで刺激しましょう。
そこは腸と腸の間の軟部組織であり
腸そのものを圧迫しているのではありません。
気持ち良いと感じるところは押しても大丈夫です。
自分で押す分には悪いことにはなりません。
・施術はヴィセラルモーションテクニックで
しっかりと刺激を入れる
詳細は割愛しますが、腸の可動性を付けるためには
しっかりと刺激を入れる必要があります。
大腸の半月ひだを取り戻すためには
腸の平滑筋を一旦伸長させ、再収縮させる必要があるからです。
今日は大腸も短くできるというお話でした。
大腸が長いと病院で言われたら、
一生そんなものかと諦めてしまいそうですが
ちゃんと大腸の組織を知れば
短くできることが分かってきます。
手技療法でできることは本当に多岐にわたると思っています。
ありがとうございました。
茨木英光