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【茨木英光】2024年に学んだ気づき

みなさまこんにちは。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今日は昨年2024年に施術において学んだことをお話いたします。

一番の発見は
「細胞が分裂する際に、混み合っていれば分裂を中止する
適度に離れているならば、分裂を開始する」
ということでした。

これだけ聞いても何に役立つのかわかりにくいので
施術にどう役立つのかお話してまいります。

筋肉のこり、関節のつまり、
このような組織がぎゅっと圧迫されている状態にあれば
細胞は分裂することができないので
自然治癒力が働かず、組織が修復しないということです。

細胞自身が分裂すべきかどうかをチェックするのは
分裂期の始めにあるG1期に行われます。

ここで細胞同士が適度に離れているならば
S期に移行して、DNAの2重螺旋がバラバラにほどけて
RNAによる遺伝子の読み取りが始まります。

手技療法家として大切なのはここからで
これをどう施術に活かすかです。

細胞同士を離すことが自然治癒力を促進させることになるのですから
押圧する時に、筋肉をぎゅっと押してはならないのです。

筋肉は元来圧迫に弱い組織ですから
筋腹をまともに押してしまうと痛くて不快感を伴います

それを「痛いのが効く」と勘違いしてはなりません。

患者が痛そうにしているのなら、
生理学的にみてもやはり悪化させる行為なのです。

ではどのようにして押圧していくのかというと
「固い組織を避けるように」指を動かしていくのです。

腰を例にしてみましょう。

うつ伏せで横突起の間に指を入れるとします。

そこには横突間筋がありますが
それを母指で前方(床方向)に押すだけでは
固くなった組織が細胞分裂には至らないのです。

母指で椎体のすぐ横からゆっくりと前方にベクトルを入れ
次に横突間筋の内側から、外に向かってかき出すように
横突間筋を椎体から「離すように」マニピュレーションを繰り返していくのです。

始めは固くて指が奥まで入らなくても大丈夫です。

鰹節のように、ゆっくりと、何回も組織を繰り返してかき出して行くと
だんだんと椎体の前方のあたりまで指が入っていきます。

ストレッチも同様の考え方が当てはまります。

筋肉を伸ばすという行為は、まさに細胞同士を離して
筋肉の細胞分裂を促す行為と言えるのです。

この「細胞同士を離す・引き剥がす」という考え方が分かってから
施術の効果がとても高くなりました

筋肉はゴリゴリ固まっているから
それをこねてほぐすのではありません。

その固まりの外縁から指を沈めていき
周りの正常な組織との距離を開けるのです。

そしてS期(合成期)に移行させるのです。

そうすれば生理学的に見ても
細胞分裂が始まって再生力が発揮されます
患者さんの感想としても、その場で痛みが楽になります。

施術のテクニックを上達させるためには
指先の鋭敏な感覚や指の動かし方が第一なのではありません

自分がどんな理論で施術を行うのか
皮膚の下にどんな筋肉や靭帯が広がっているのか
いかに「見える化」できるのかが勝負の分かれ目となってきます

解剖学や生理学とは、施術に直結したとても楽しい勉強です。

今年もみなさまのお役に立てる内容を発信してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

茨木英光

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