胸郭出口症候群の症状改善に効果的なツボ
胸郭出口症候群は肩こりを感じることから自覚することが多く、生活の中で手のしびれや肩のだるさなどが気になるようになります。
症状を改善させるために、一般的には肩に負担をかけないようにして、保存療法や薬物療法を選択されることが多くなります。
ただなかなか症状が改善しない場合には、ツボを刺激するなど、マッサージや理学療法が併用されることも少なくありません。
胸郭出口症候群の症状改善に効果的なツボをご紹介していきましょう。
大椎(だいつい)
大椎(だいつい)は肩こりや腕のしびれなどに効果が期待されているツボの一つです。
第七頚椎とその次の椎骨の間に存在するツボになります。
首を前に曲げると首のやや下あたりに出っ張る骨(第七頚椎棘突起)がありますがそれが第七頚椎で、その下のくぼみが大椎です。
上体を反らしながらツボを刺激すると効果的です。
肩井(けんせい)
肩井(けんせい)も胸郭出口症候群に対する施術でよく用いられるツボになります。
頭痛を緩和させ、自律神経を整える効果にも期待できます。
先ほどの第七頚椎の突起と肩の先端を結んだ中間地点が肩井で、多くの人は肩こりの際に自然に揉んだり押したりしているツボです。
心地よい程度の強さで真下に押していくと効果的です。
風池(ふうち)
風池(ふうち)は首の痛みに効果が期待できるツボで、頭痛の緩和にも役立つと言われています。
髪の生え際、首の後ろになるくぼみの外側あたりにあり、両指を使ってマッサージすると、とても心地よい感覚を得られます。
胸郭出口症候群とは
胸郭出口症候群とは、腕を挙げる動作時においてしびれを感じたり、肩や腕、手に痛みや動かしにくさを感じるような状態が現れる症状のことを指しています。
胸郭出口症候群と判明するまでは肩こりが酷くなってきたと感じることが多く、湿布を貼るなど対処してもなかなかよくなることはありません。
神経や血管が障害を受けることによって現れる症状ですから、症状が悪化して握力が低下したり、細かい動作がしにくくなったりすることも珍しくありません。
運動障害や握力低下などの症状の悪化が進むと、手のひらにある小指側の盛り上がり(小指球)が痩せてくるような変化が現れます。
症状の悪化の中で、頭痛がみられたり、吐き気などが伴うこともあります。
発症するのは女性に多くみられますが、男性でも発症するリスクを持っています。
発症の原因はさまざまなものが考えられますが、姿勢不良が大きな影響を与えていると考えられています。
そのため日常生活での姿勢を意識し、睡眠時の枕やマットレスなどを身体にあったものにするなどによって、症状を軽減させることにも繋がります。
胸郭出口症候群の原因
胸郭出口症候群を発症する原因は、腕や背中の肩甲骨などの運動で重要な役割を持っている神経や動脈を締め付けたり、圧迫していることであると考えられています。
これらの神経や動脈は、鎖骨や筋肉の間を走行していますが、先天的に狭いような場合には、圧迫しやすいと言えます。
また手を挙げる動作によって、発症することもあります。
特に、バレーボールやバスケットボール、テニスなど、手を高く上げることによって発症しやすいと言え、急激に筋力トレーニングを行った際などにも発症してしまいます。
なで肩の女性に発症しやすいことが知られており、スポーツだけではなく、重いものを持ち運ぶような仕事をしていることで発症する方もおられます。
胸郭出口症候群の症状
胸郭出口症候群の特徴的な症状は手のしびれや痛みですが、整形外科などに通院するきっかけとして肩こりを感じることが多くなっています。
20代のなで肩の女性で、手のしびれや痛みがみられる場合には胸郭出口症候群が疑われることになります。
手のしびれや痛みがある方向に顔を向け、そのまま首を反らせた際に、手首の脈が弱くなる場合には胸郭出口症候群を診断できる材料となります。
症状が強くみられている場合、自律神経の働きにまで悪影響を及ぼしていることも多く、頭痛や吐き気を訴える方も少なくありません。
そのような症状がある場合には、原因と考えられるスポーツを中断したり、重い荷物を運ぶなどの負担を軽減しなければなりません。