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内側上顆炎(ゴルフ肘)の治療~肘の内側の痛みの原因や症状、改善方法について

内側上顆炎(ゴルフ肘)について

内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)とは「ゴルフ肘」と呼ばれることからもお分かりになる通り、ゴルフのショットによって引き起こしやすい症状であると言えます。

肘に負担のかかるような運動や手首の内側にある前腕筋を酷使するような運動をすることによって、肘の内側に強い痛みを感じるようになります。

同じスポーツ障害に外側上顆炎(テニス肘)と呼ばれるものがありますが、こちらは肘の外側に痛みを生じる特徴があります。
内側上顆炎(ゴルフ肘)はゴルフだけではなく、テニスのサーブややり投げ、野球のピッチングなどによっても生じることがあります。

また、重い荷物を運んだり、ハンマーなどで打ったり、ロープを引っ張ったり、パソコンのタイピングなどによっても引き起こされることがあります。
腕の内側には、肘の内側から屈曲回内筋群が伸びていますが、この筋群の炎症が原因であると考えられています。

痛みが生じるようになると、ゴルフなどのスポーツ時だけではなく、物を持ち上げる動作や雑巾を絞る動作、何かを引っ張るような動作をする際に痛みを感じるようになります。

同じ動作を繰り返すようなスポーツや仕事によって引き起こされることが多いのですが、30代以降の方の発症が多いために、筋力の低下が主な原因であると考えられています。

肘を伸ばした状態で、肘の内側を抑えることによって痛みが生じた場合には内側上顆炎(ゴルフ肘)を疑うことになります。
炎症を起こした場合には、安静を基本にして、アイシングストレッチによって痛みや症状を改善させていきます。
痛みが強い場合には、局所麻酔ステロイド剤を注射することもあります。

内側上顆炎(ゴルフ肘)の症状について

内側上顆炎(ゴルフ肘)の症状は、手首を内側に曲げることで肘の内側や前腕の内側に強い痛みが生じることが特徴です。

安静にしている時にはそれほど痛みが生じることはありません。ゴルフなどのスポーツ時や仕事、日常生活の中での動作時において痛みが生じます。
症状が悪化するにつれて安静時においても痛みが生じるようになることもあります。

症状の特徴によって、診断を行うことになります。

肘を伸ばして肘の内側にある硬い骨(内側上顆)を押さえると痛みを感じます。
また手首を内側に曲げて力を入れることによっても肘の内側に痛みが生じます。

肘の内側部分をレントゲンで確認してみると、骨棘(こつきょく)と呼ばれる、軟骨の肥大化、骨化によってトゲになっているようなことがあります。

内側上顆炎(ゴルフ肘)の原因について

内側上顆炎(ゴルフ肘)は、ゴルフのスイングやテニスのサーブなどのスポーツによるものや、重い荷物を持つなどの職業などにおいてよくみられる症状です。

これは肘の内側上顆にある「橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)」「尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)」「長掌筋(ちょうしょうきん)」「円回内筋(えんかいないきん)」などの筋肉の付け根部分の腱が炎症を起こしているためであると言われています。

この腱は、手首を曲げる動作をする役割を持っていることから、この腱に負担をかけ続けてしまうことによって痛みを生じさせてしまうのです。
そのため、スポーツにおいては、身体全体のバランスを上手く取りながらスイングしているのではなく、手先だけでスイングしようとすると症状が生じやすくなります。

そのため、ベテランのゴルファーやテニスプレーヤーが生じることは少なく、ほとんどは30代以降ではじめたような初心者に多くなっています。
30代以降になると、筋や腱の衰えも始まりますから、症状を引き起こす原因となってしまうのです。

内側上顆炎(ゴルフ肘)の改善方法について

内側上顆炎(ゴルフ肘)の痛みが生じた場合には、痛みの原因となったスポーツや動作を行わないようにして、炎症を抑えることが大切です。
特に初期の段階で肘に負担をかけないようにして過ごすようにしていれば、安静だけで症状が良くなることも珍しくありません。

また、どうしても動作をしなければならないような職業の方などであれば、日々の動作を見直すようにして、肘に負担のかからないように取り組むことが必要です。
スポーツの場合においても、症状が治まったとしても、また同じ動作をしてしまうことによって再発してしまうことがあります。
そのため、ストレッチによって負担をほぐしたり、フォームを見直すことなどが有効となります。

内側上顆炎(ゴルフ肘)の治療について

安静・氷冷
装具やサポーター、テーピングの使用
動作の修正
筋力トレーニング
ストレッチ
ステロイド注射

内側上顆炎(ゴルフ肘)は肘の内側の腱に対して負担をかけ続けることによる炎症が原因ですから、治療は基本的に対処療法的に行うことになります。
治療の基本は安静であり、冷やすことによって炎症をうまく抑えることができます

どうしても原因となる動作が必要な仕事などで、安静にできない場合には、装具サポーターを着用したり、テーピングを施すことによって腱の負担を最小限にします。
また原因となった動作を見直すことも重要です。

特にゴルフやテニスなどが発症の原因である場合には、そのフォームを見直さなければ痛みが治まったとしても再発してしまう可能性があります。

そのため、リハビリテーションによる筋力トレーニングやストレッチの指導が必要となる場合もあります。
そのような取り組みをしても、腱周囲に痛みが強い場合には、ステロイド注射による治療に取り組まれることもあります。

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