巻き肩とは
ただの肩こりや首の痛みであると自覚している方は社会に多くみられますが、姿勢不良がみられる方には「巻き肩」であることが珍しいことではありません。
スマートフォンを長時間操作することやパソコン作業などが多くなり、背中を丸めてやや前傾姿勢を固定したまま過ごす時間が長くなりました。
さらに背中を丸めているだけではなく、その姿勢からさらに肩を前に出して、肩から背中まで丸めている姿勢になっていることが多くなっています。
この姿勢のことを「巻き肩」と呼んでいます。「スマホ巻き肩」「スマートフォン症候群」などと呼ばれるようなこともあります。
一般的に姿勢が悪く、背中を丸めている状態のことを「猫背」と表現することが多いですが、猫背はあくまで背中だけを丸めている状態のことを指しています。
ただし、巻き肩を続けていると、そのまま姿勢が悪化してしまい、猫背へと進んでしまうことがありますから注意が必要です。
巻き肩は体の前面の筋肉が縮んだままの状態となってしまい、伸ばしにくい状態をつくり上げることによって生じるものであると言えます。
肩の位置が本来あるべき正しい位置ではなくなるために、肩や背中などの筋肉に血流が悪くなってしまいます。
それが肩こりや首の痛みなどを引き起こす原因となり、酷くなると疲れが取れないようになったり、姿勢のバランスを崩してしまうことになってしまいます。
巻き肩の症状
肩こり
首の痛み
肩や腕の痛み
目の疲れや渇き
頭痛
倦怠感、疲れやすい
動悸やめまい、不眠など
胸が垂れやすくなる
巻き肩は、悪い姿勢を取り続けていることによって、両肩が本来の位置よりも前にでて、胸の内側に巻き込んでいるような状態になっています。
胸や肋骨周辺に強く圧迫し続けてしまうことになりますから、肩こりや首の痛みをはじめとして、身体にさまざまな不調をもたらしてしまいます。
それは、ボディバランスが悪くなってしまことによって、筋肉の硬直や骨格の歪み、血流量の低下、自律神経の乱れなどを引き起こしてまうからです。
巻き肩をそのまま放置していると、背中全体を丸くしてしまう「猫背」にまで発展してしまうこととなり、さらに身体全体のバランスが悪くなります。
本来の姿勢であれば、頭の先から足までが垂直となっており、身体に余計な負担をかけないようになっていますが、「巻き肩+猫背」になってしまうことで、さまざまな部位に負担をかけてしまうことになるのです。
巻き肩の原因
巻き肩は、肩を内側にすぼめているような姿勢を取り続けてしまうことによって引き起こされる症状のことを指しています。
いわゆる猫背のように、背中をまるめて首が前に出ている姿勢ではなく、体の軸はそのままの状態で肩の位置だけが悪くなってしまう症状であるのが特徴です。
そのため、肩から胸にかけて体の前面にある筋肉を収縮させてしまい、伸びにくい状況を作ってしまいます。
巻き肩での肩から胸、背中の筋肉の動き
具体的には、肩にある僧帽筋や肩甲挙筋を弱めて硬くなってしまい、肩甲骨の動き自体も制限してしまい悪くなってしまいます。
そのため、初期症状としては肩こりや首の痛みを生じさせる原因となってしまいます。
またこの姿勢のままにしていることで、胸や首周辺の神経を圧迫させてしまい、手のしびれを生じさせてしまう胸郭出口症候群が現れるようになることも珍しいことではありません。
しかも、胸の筋肉を常に圧迫させ肋骨を締め付けていますから、深く呼吸することができなくなってしまい、内科的な疾患を引き起こす原因になるとも言われています。
無理に姿勢を正そうとすると腰を反らせてしまうことに
巻き肩では大胸筋やその奥にある小胸筋をストレッチしておき、筋肉をほぐし血流を改善させるようにしておく必要があります。
巻き肩の原因は、このように姿勢によるものであることが分かりますが、巻き肩の方が姿勢を良くしようと自覚すると、腰を反らせてしまい腰痛を引き起こしてしまうことがあります。
巻き肩を引き起こす姿勢として、スマートフォンの操作やパソコンなどでのデスクワークなどがみられますが、その時に肩を巻き込むような姿勢を改める必要があります。
しかし、この操作を終わった後に姿勢を正すことを意識すると、腰だけを反らせてしまうことが多いのです。
腰を反らせることによって正しい姿勢を取っているように感じますが、肩は内側に巻き込んだ状態のままで、しかも腰を反らせているという、さらに姿勢を悪化させている状態になってしまっているのです。
そのため、巻き肩の原因が肩を巻き込んでいるということを自覚し、肩を後ろに引いて、肩甲骨を内側に寄せて、胸の筋肉を開放することをイメージすることが大事になります。
巻き肩改善や姿勢矯正のために効果的なストレッチの方法
上記でもお伝えした通り、巻き肩を改善するために自身で姿勢矯正しようとすると、腰を反らせているだけで、肩は前面に巻き込んだままになってしまいます。
巻き肩改善のためのストレッチでは、腰を反らすイメージではなく、肩を後ろに引いて肩甲骨を動かしていくイメージを持っておくといいでしょう。
ただ、巻き肩による症状が強い場合には、胸の筋肉がすでに凝り固まっている状態で、肩を後ろに引いてしまうことで、胸に圧迫感を与えてしまうことがあります。
そのため、じっくりと時間をかけてストレッチしていくことが大切になります。
いきなり伸ばしていくのではなく、最初は鎖骨周辺に指をあて、円を描くようにほぐしていくといいでしょう。
そして、肩から胸に広がっている大胸筋や小胸筋、鎖骨下筋、僧帽筋などの縮まっている筋肉の柔軟性を高めながら、肩甲骨周辺に存在する広背筋、前鋸筋などにアプローチしていきます。
つまり胸のストレッチだけではなく、背中側の筋肉にもアプローチして、肩を後ろに引くことができるように、伸ばしたり縮めたりすることが大切です。
胸の筋肉が伸びるようになってくると、肩を後ろに引けるようになり、背中の筋肉もうまく活用できるようになります。
腰を反らせるような姿勢もなくなり、姿勢矯正できるようになります。
このように姿勢を矯正することによって、胸板を協調させることができ、女性の場合であればバストアップ効果に繋げることも可能です。