押圧マッサージとは
押圧マッサージは押圧法と呼ばれることもあり、古代中国において発展した長い伝統を持つ
手技療法で、指で押圧することによって治療を施す技術のことを指しています。
経穴を直接指で押圧して刺激することによって、血流の促進、気血流れを促すことができ、
内臓の働きを活発化させ、自然治癒力を高めることができます。
中国においては経絡に沿って流れる気血や血液の流れが大事であると考えており、経絡上に存在する経穴に刺激を与えることによって、治癒力を高めることができます。
体の異変は、経穴に顕著に現れることが知られています。
押圧マッサージは、押圧によって異変の現れている経穴に直接刺激し、刺激によって得られる自然治癒力を応用した治療法であると言えます。
中国医学によりますと、人間の生命力は気の流れと密接に関係していると考えており、体中に網のように張り巡らされている経絡を流れる気の存在を探ることが施術には重要となります。
痛みやコリなどの症状は、この気の流れが悪くなることによって生じます。
体内の変調を教えてくれるのが経絡を流れる気の働きで、治療はこの気を元通り、自由に流れるようにすることが目的です。
そのため指による押圧によって、気の流れが滞っている経穴を探り、再び自由に流れるように戻すのが押圧マッサージの基本的な考え方になります。
押圧マッサージ・手技療法の実践
押圧マッサージは、気や血の流れを良くするために行う治療ですが、その基本的手技は指を活用した圧迫になります。
あん摩やマッサージと同じものであると考えられがちではあるのですが、本来の押圧法は異なった手技を実践していくことになります。
医学的な有効性も認められている手技ですから、手技療法を習得するためには、その基本を学び、高度なスキルを積み上げていくことが必要となります。
押圧マッサージ・手技療法の効果
押圧マッサージの手技療法においては、経絡上の経穴を見つけ出し、経穴を触れることによって得られる反応をみながら施術を行っていきます。
経穴に対する圧迫については、皮膚の上から深層に向かって垂直に押圧していきます。
この押圧によって血流を促進させることが可能です。
また同時に自律神経の働きを活発化させ、内臓の働きにまで影響を与えることができます。
そのため痛みやコリをほぐすといった効果だけではなく、疲れを取り除いたり、睡眠状態を改善させたり、ストレスを解消させることもできます。
また内臓に直結していることから、免疫力の向上や内臓疾患の改善も期待できるものなのです。
押圧マッサージ・手技療法の強度
押圧マッサージの強度については、痛みやコリなどによって変化させながら施術を行います。
常に一定の強度で圧力を加える訳ではないということです。
経絡上の経穴には血管や神経が巡っており、それらが骨に挟まれて障害を起こしてしまうことによって、痛みやコリが生じるのです。
そのためどのくらいの強度で押圧するかについては、スキルを積み上げて学んでいく必要があります。
皮膚感覚の違いによって、その効果にも大きく影響を与えるものだからです。
柔らかく表面的な押圧や軽い振動を与える押圧、擦るような軽い押圧などといったものから、繰り返し強く押圧することや深く圧迫させるような手技を行うこともあります。
やみくもに強く押圧しすぎてしまうと、皮膚組織を破壊してしまい、炎症を引き起こしてしまうことがあります。
そのため丁寧に施術することが重要になります。
例外的ではありますが、指の爪を活用して、刺激を与えるような手技も存在します。
押圧マッサージの経穴を探るには
押圧マッサージの手技療法においては、経絡上の経穴を直接押圧によって刺激を与えます。
経穴に対する押圧によって、血液や気血、リンパの流れを改善させることができ、自律神経の働きを調整させることが可能です。
そのため押圧マッサージでは経穴のポイントを見つけることがとても重要になってきます。
経穴は私たちの体に361か所あると考えられています。経穴自体の大きさは500円玉ほどであると言われており、一般的なイメージよりも大きいものであると言えるのではないでしょうか。
この経穴を探っていくには、皮膚を触れていく中で生じる反応を感じ取る必要があります。
過敏に反応することや痛みが生じることがあります。あらゆる神経や内臓と繋がっているポイントになりますから、このような反応がみられるのです。
軽く触れただけでも反応が生じることもあれば、深層まで押圧することによって反応するようなこともあります。
押圧マッサージではもちろんのこと、鍼灸などの施術においても、この経穴に与える刺激の量と質はとても重要になります。
おおよそ経穴の位置は決まっているものではありますが、個人差があり体の状態によっても変化します。
骨が凹凸している箇所や筋肉の隙間などを手がかりとして探すことができます。
また皮膚が変色していたり、乾燥しているような場合など、見た目で判断することも可能です。