トムソンベッドとは
トムソンベッドとは「トムソンテーブル」と呼ばれることもある、施術に用いられるベッドのことを指しています。
特徴的なベッドとなっており、通常の施術に用いられる平台状のベッドとはまったく異なっており、頭部・胸部・腰部・骨盤部が独立した形になっています。
カイロプラクティックの手技である「トムソンテクニック」の施術を行うための専用アイテムであり、高さや角度などの調節が自在になっていることから、より細かな施術が可能となっています。
トムソンベッドの解説
トムソンベッドとは、接骨院や整骨院、カイロプラクティック院などで多く導入されている、手技による治療に特化して開発された専用アジャストメントテーブルです。
トムソンベッドの名称の由来は、カイロプラクティックの手技であるトムソンテクニックを開発した、J・クレイ・トムソンにちなんだものです。
J・クレイ・トムソンは手技だけではなく、戦争時期に勤務していた兵器工場のスキルを活かし、手技で活用するために適したベッドを開発したのです。
さまざまな改良を加え、現在のような形に近くなったのは1950年代の頃であると言われています。それまでの形に加え、骨盤矯正をはじめ、胸部や腰部に対応できるようにし、ドロップ式のカイロプラクティックテーブルとして特許取得に至ったのです。
トムソンベッドは科学者ニュートンの「落下の法則」を応用した手技に特化したものであり、そのトムソンテクニックを行うために最も適しているベッドであると言えます。
トムソンテクニックは呼吸にあわせて昇降させながら施術を行う特徴を持っています。
このベッドを活用すると小柄な女性施術者が大きな患者に対して施術を行う場合であっても、大きな力を加えずに手技を行うことが可能です。
そのため今では世界中の施術者において広く愛用されるベッドとなりました。
トムソンテクニックのためにトムソンベッドを使用する
トムソンテクニックとは患者と呼吸を合わせながら行う施術方法であり、息を吐いて身体が緩んだ状態でドロップできるように工夫されています。
トムソンベッドの生みの親であるJ・クレイ・トムソンは、より効果的にトムソンテクニックの手技ができるようにベッドを開発したのです。
実際にトムソンテクニックをトムソンベッドを活用して施術した場合、呼吸を吐いて身体が弛緩している状態にあわせてベッド部分がストンと落ちような仕組みになっています。
コンプレッサーによる圧縮空気を利用しているために、痛みを感じることなくとても自然に矯正させることが可能です。
トムソンテクニックをトムソンベッドを活用して施術する場合、とても簡単な操作で安全な施術を行えるようになります。施術時間も大幅に効率化させることが可能です。
また患者の症状によっては仰臥位になれないということがありますが、そのような場合においても起立式で使用できるタイプもあるために、ラクに施術することが可能です。
トムソンベッドを施術に用いるメリット
トムソンベッドを施術で用いるメリットは、患者だけに実感できるものではなく、施術者にとってもその影響ははかり知れません。
腰痛などの悩みを抱えた患者は、治療を受けたいとしても手技による施術は、大きな力が加わることに対して抵抗を感じる方も少なくありません。
特に近年では女性や高齢者など、よりソフトな施術を求める方が増えているのではないでしょうか。
「骨をポキポキ鳴らさない」と敢えて記載している接骨院やカイロプラクティック、整骨院などを見かけることも少なくありません。
しかしトムソンベッドを活用した場合には、患者自身の体重を利用して施術を行うことができるために、身体的な負担が少ない治療を受けることができます。
レバーや足ふみスイッチを使うと、施術したい箇所を持ち上げて、呼吸にあわせてほんの少しだけ落下させることによって、刺激を少なく矯正させることができます。
また患者の痛みが強い場合、体位を変えることが難しいようなこともあります。そのような場合でもトムソンベッドを活用すれば、無理に体位を変換させる必要がなくなるのです。
施術者にとっても大きな患者に対する施術のように、体格によって難易度が高まるようなこともなくなりますので、施術者自身の負担も軽減させることができると言えるでしょう。
トムソンベッドの効果
トムソンベッドを活用してトムソンテクニックの手技を行うと、うまく矯正させることができますので、特に猫背や反り腰といった姿勢改善に効果的です。
良い姿勢になると、覇気があるようにも見えますから、見た目の印象改善にも役にたちます。
さらに呼吸状態を改善させることができますので、精神状態の安定や集中力アップなど、ストレス改善にも繋げることができるでしょう。
現代はデスクワークが多くなり、それに伴って姿勢が悪くなることによって歪みを生じさせ、体調不良を引き起こしてしまうという症例をよく見かけます。
背骨や骨盤に歪みが生じ、第5胸椎や第6胸椎に負担がかかってしまうことになり、猫背などといった姿勢不良を引き起こす原因となってしまうのです。
悪い姿勢によって血流が悪くなってしまい、代謝不良を引き起こすことはもちろんのこと、見た目にも悪くなってしまいます。
そのような積み重ねがストレスとなってしまい、うつ病などメンタル疾患を引き起こす原因となってしまうこともあるのです。