先生、こんにちは。
茨木英光です。
「究極のダイエット食品」
それは「塩」です。
意外に思われるかもしれません。
まず、塩NaClはなぜ必要かと言いますと、神経の伝達、筋肉の動作、細胞の浸透圧の維持などに使われます。
簡単にいうと、生命の維持に欠かせないということなのです。
WHOは全ての成人に対して5グラムの塩分摂取を目標としています。
人間の生理食塩水の濃度は0.9%です。
そして成人男性の60%は水分でできていると言われています。
乳児では約70%程です。
成人男性を60kgと仮定しますと、水分量は36kgとなり、その0.9%の塩分が必要となるわけですから、324グラム体内に塩分が必要なことになります。
324グラムというとビールの缶に塩を詰めた分くらいの量になります。
それを維持するために、1日5グラムの摂取で本当に維持できるのでしょうか。
ちょっと疑問に思ってしまいます。
高血圧の話になりますと、レニン-アンギオテンシン系が必ず出てきます。
尿細管でのNaの再吸収を促進し血圧が上昇するというものです。
しかしこの本来の働きは全身の血圧が低下した際に働くもので、一時的に作用するための機構です。
江戸時代の囚人の拷問で、最も厳しいものが塩分を与えないということでした。
人は塩がなくなると筋肉も神経も脳も働かなくなり、立てなくなってグニャグニャになるそうです。
中高年の方が病院で血圧を測って少し高いだけで塩分を控えるように指導されたり、血圧降下剤を飲むように言われます。
これは安易な指導だと私は思っています。
普通に排尿できる人は減塩などせずに、おいしいく塩を摂っていいのです。
原因不明とされている本態性高血圧は塩分が原因ではないからです。
その原因と考えられることについては追々お話いたします。
本題に戻り、塩がダイエット食であるということですが、理由は簡単です。
お腹の減っているときに塩分のない食事を摂ってみてください。
枝豆に塩気がなかったら満足感が得られずにいつまでも食べ続けてしまいます。
逆に塩分が濃すぎる枝豆だったらどうでしょうか。
すぐに食べるのが嫌になってしまいます。
そして塩分を摂りすぎてしまったら喉が乾きます。
水を多く飲み、排尿したくなります。
なので、塩分とは体内に蓄えたいと思っても蓄えられないものなのです。
だから毎食毎食、どんな料理にも必ず塩分が入っています。
それだけ体内の塩分濃度とは厳格に管理されていて、多ければ水を飲みたくなるし、少なければ塩をなめたくなる。
そのように濃度を一定に保つ行動に出るようになっているのです。
なので塩分の入った食事のほうが適切な量で満足感を得られるということになります。
減塩が本当に健康かどうか、何事も自分で考える習慣を付けるようにしていくと、世の中の情報に振り回されなくて済みます。
ダイエットに挑戦したい方は、盲目的に減塩こそが正義だと思わないで、ちゃんと塩分を摂って、少ない食事量でも満足できることを第一に考えていった方がダイエット効果は高くなります。
次回は本態性高血圧の原因についてお話しいたします。
今日もお読みくださってありがとうございます。
関節マスタードットコム
茨木英光