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肩関節モビライゼーションによる理学療法~肩関節の仕組みと治療方法

肩関節の仕組みと肩関節モビライゼーションによる理学療法

肩関節は、上腕骨と肩甲骨、鎖骨によって形成されており、関節包と呼ばれる袋に包まれていることが分かります。
上腕骨の先端にある骨頭が肩関節にはまり込んで、肩関節を構成しているのです。

このような仕組みになっていることから肩関節は可動域が広く、自由に動かせるといったメリットがある反面、ほかの関節と比べて浅く不安定に形成されているために、脱臼など障害を引き起こしやすい部位であるとも言われています。

肩関節に直接ストレスがかかることはもちろんのこと、両上肢にストレスがかかることによっても肩に障害を及ぼしてしまうことがあるからです。

肩関節モビライゼーションは、不安定な肩関節を支えている筋肉や靭帯、腱などにアプローチすることができ、可動域の改善や疼痛の軽減などに用いられる理学療法になります。

肩の痛みや障害について

肩に対する障害はさまざまなものがありますが、肩関節に直接的に負担をかけてしまうことによる損傷か、何かの原因によって周辺部位に炎症を引き起こしているケースが多くなっています。

肩関節に損傷が生じてしまうものの中には、「腱板断裂」と呼ばれる症状が多くみられています。

腱板断裂とは、肩周辺に存在する筋肉の外傷であり、転んで手をついたときや重いものを持ち上げた際などに生じてしまうものです。

腱板とは肩甲骨と上腕骨を繋いでいる腱のことで、腕の上下させるような動作時に肩を安定して保持するための重要な役割を持っています。

特に筋肉に衰えのみられる40代以降などの人に多くみられる症状であり、多くは保存治療や肩関節モビライゼーションなどの理学療法によって改善を目指していきます。

また炎症を引き起こすものには「四十肩・五十肩」と呼ばれる症状があります。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれるものですが、発症する原因は明らかになっていませんが、動作時に強い痛みが生じ、可動域制限がみられることもあります。
疼痛に対するアプローチをしながら、肩関節モビライゼーションなどの理学療法によって治療に取り組むケースが多くなっています。

肩関節モビライゼーションの理学療法とは

肩関節モビライゼーションは、損傷や炎症を引き起こしている肩関節や周囲の筋肉や靭帯、腱などに対して手技によって改善を目指す理学療法です。
他動的に肩関節に対して運動を与えていき、痛みを取り除き、可動域の改善を目指していきます。

特に身体評価において痛みや可動域制限の原因が、肩関節を構成する骨格や関節包、靭帯、腱などにある場合においては、たいへん有効になる手技であると考えられています。

特に腱板断裂や五十肩など、強い痛みや関節可動域制限がみられる場合には、肩関節モビライゼーションとともに、他の施術方法も取り入れて施術することもあります。
治療が必要となる場合には、その原因になっているものを明らかにする必要があり、総合評価の中から適した施術方法を用いることが必要になります。

そのため、適切に肩関節モビライゼーションに取り組むためには、手技の方法だけではなく、高い生理学や運動学、解剖学の知識が必要になると考えられています。

肩関節モビライゼーションのやり方

肩関節に疼痛や関節可動域制限がみられる場合で、関節包や靭帯、腱などの炎症や損傷によって関節に拘縮を引き起こし運動制限があるのであれば、関節包の癒着や障害が原因であると疑います。

肩関節モビライゼーションは、患者が安静にできる肢位を保持しながら他動的に運動を加え、少しずつ関節包に対して伸張を加えていくことによって改善を目指します。

痛みが強い間は、痛みのコントロールが中心となり、積極的な介入は予後に悪影響を及ぼす可能性があります。

炎症が収まることによって痛みも軽減してきますが、この時期になると関節可動域に制限がみられるようになります。

肩関節モビライゼーションでは個人差はありますが「屈曲120°」「外転70°」「内外旋45°」を目標にして手技を行っていきます。

肩甲骨周囲の筋肉の緊張をほぐすと同時に筋力を改善し、少しずつ運動強度を高めていくことによって改善がみられるようになります。

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