ストレートネックとは~症状や原因について
ストレートネックは「スマホ首」と呼ばれることもあり、スマートフォンを操作している時の姿勢によって、首や肩に痛みやしびれが生じるというものです。
現在、首や肩に何らかのトラブルが生じて通院している方の多くは、このストレートネックが原因によるものがとても多くなっています。
また、スマートフォンの操作やパソコン作業など、首に負担のかかる動作の機会が多くなっていることから、ストレートネックの予備軍もかなり多いことが分かります。
ここではストレートネックとはどのようなものか、どのような症状が起きるのか、原因にはどのようなものがあるのか、詳しくお伝えしていきましょう。
ストレートネックとは
ストレートネックとは、首の骨がまっすぐになった状態のことをいい、首の骨である頚椎や周辺の神経に大きな負担をかけてしまい、首や肩に痛みやしびれが生じる症状が特徴です。
本来、首の骨は少し反ったゆるやかなカーブを描いていますが、ストレートネックの状態においては、横からみるとまっすぐであることが分かります。
スマートフォンを使用する際の姿勢のような、うつむいたままの状態を維持することによって首周辺の筋肉を疲労させ、ついには頚椎にまで影響を与えてしまうことになるのです。
一時的にはマッサージなどによって症状が改善することもありますが、ストレートネックにまで悪化させてしまうと、なかなか改善しにくくなってしまうのです。
ストレートネックの症状
ストレートネックになってしまうと、首周辺の筋肉を硬直させ、頚椎のクッション性もなくしているような状態ですから、多くの不快な症状に悩まされることになります。
頚椎は7つの骨によって形成されていますが、特に第5頚椎から第7頚椎までの歪みが顕著となり、周辺の神経を圧迫し、痛みやしびれが現れるようになります。
さらに酷くなってしまうと、首の可動域制限が現れるようになってしまい、首が回らないという症状が起こってしまうのです。
この状態のままでいると、頭痛やめまい、吐き気、耳鳴りなどの症状も現れることが多く、イライラするなどメンタルの不調を感じることもあります。
首周辺の筋肉の血流を低下させていることが原因であることが考えられます。
ストレートネックの原因
私たちの頭は、体重の約1割程度であると言われており、それを細い首が支えています。
例えば体重50㎏の方であれば、頭の重さは約5㎏。
しかし、スマートフォンを操作するようなうつむいた姿勢になった場合には、首への負担が2倍から4倍になると言われています。
つまり5㎏の重さが、10㎏や20㎏の負担になってしまうということなのです。
この姿勢を続けることによって、首周辺の筋肉を硬直させ、血流低下を招いてしまうことによって、肩こりや首こりの原因になってしまいます。
首は7つの頚椎によって形成されており、本来の機能としては、首に負担がかかったような際にクッションの役割を担っています。
しかし、うつむいたままでいると首周辺の筋肉だけではなく、肩甲挙筋や僧帽筋などといった首から肩、背中に及ぶ筋肉にまで悪影響を与えてしまうのです。
そしてこれらの筋肉が緊張したままになってしまい、疲労が蓄積し、結果的に頚椎にまで影響を与えて、ストレートネックを引き起こしてしまうのです。
特に猫背気味の姿勢の方であれば、ストレートネックのリスクが高いと言えるでしょう。
ストレートネックを改善させるには~治療や予防法
ストレートネックによって首や周辺に痛みや痺れが生じているような場合であれば、治療や予防によって改善を目指すことが可能です。
ただ、治療に取り組んだだけでは、また再発してしまうリスクがありますから、治療と同時に再発防止のための予防に取り組んでおくことが大切です。
多くの場合、姿勢不良に問題があることが多いので、正しい姿勢を心がけ、負担を軽減させるように筋力や血流を改善させることが大切です。
ストレートネックの治療
ストレートネックの治療では、痛みや痺れの原因が首そのものにある疾患ではないか調べると同時に、原因となっている姿勢や生活習慣なども見つけていきます。
冒頭からお伝えしている通り、頚椎の歪みによって引き起こす症状ですが、筋肉が硬直し血流が悪くなっていることによって症状を引き起こしています。
そのため頚椎だけではなく、周辺筋肉や全身のバランスなどにもアプローチしながら改善を目指していくことになります。
ストレートネックによる症状だけではなく、猫背や姿勢不良によって腰痛を引き起こしているような場合もありますので、必要な矯正を行う必要があります。
また、首やその周辺に生じている痛みや痺れに対するアプローチだけではなく、引き金となっている姿勢など生活習慣を見直すことが必要であると考えられています。
多くの場合では全身バランスの調整を行うと同時に、姿勢を維持するための筋力を鍛えることによって改善が期待できます。
ストレートネックの予防法
ストレートネックは「スマホ首」と呼ばれることがある通り、スマートフォンを操作しているような姿勢がよくありません。
これはスマートフォンの操作に限らず、パソコンを使用したデスクワークや洗い物など家事をしているような場面においても、そのような姿勢になってしまいます。
意識してややうつむき気味になってみれば、首に大きな負担がかかっていることが理解できるでしょう。
まずはこの姿勢にならないように注意することが最大の予防法となります。
特にスマートフォンやパソコンを操作する場合には、画面と目線を同じ高さになるように意識します。
また、睡眠時の姿勢もストレートネックの予防にとても重要であると考えられます。
みなさんが使用している枕の高さは適切でしょうか。
もしも高すぎる枕を使用しているような場合、スマートフォンを操作している時と同じように、頭を前方に突き出したような姿勢になってしまいます。
つまり眠っているだけで、ストレートネックを誘発させていることになるのです。
首の高さにあった枕に変更したり、枕の使用をやめてみることによって首のこりが楽になる場合もあります。