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頚椎症に効果的なストレッチの方法~症状や原因、治療法について

頚椎症とは~症状や原因

頚椎は7つの骨によって形成されており、頚椎の一つひとつを椎間板によって繋いでおり、クッションの役割を果たしています。

頚椎を横から見ると緩やかなカーブを描いており、体重の1割の重さだといわれる頭を支えています。
そこには手や指、足を自由に動かすための神経があるために、うまく神経伝達ができなくなると、麻痺やしびれなどさまざまな症状が現れることになります。

頚椎が原因による症状は、加齢によって椎間板のクッション性が衰えたり、靭帯の動きが悪くなってしまうことによって生じますが、すべてを総称して「頚椎症」と呼ばれます。

首や背中の肩甲骨付近に痛みやこりなどを感じたり、腕や手に痛みやしびれを感じることもあります。
それらの症状の違いによって、疾患が分けられています。

頚椎症の症状

一般的に頚椎症と呼ばれるものもには「頚椎症性脊髄症」「頚椎症性神経根症」の2種類のものがあります。

頚椎症性脊髄症では、左右両方の手足のしびれといった感覚異常が、頚椎症性神経根症では、左右どちらかの手から腕にかけてしびれや脱力がみられるのが特徴です。

最大の原因は姿勢にあると考えられています。

頚椎症性脊髄症は、首の後ろ側に痛みが生じ、後ろに反らせたような場面において痛みやしびれを感じることが多くなります。
左右両方の手足に痛みやしびれを感じるようになり、何も触れていないのに痛みが生じるような感覚異常が現れてしまうこともあります。
常に手指にもしびれを感じてしまうために細かい作業などが不自由になってしまい、日常生活においてもお箸が上手く使えなくなったり、ボタンを掛けることが難しくなることがあります。

また歩行がぎこちなくなったり、速足ができなくなったり、足を前に出すことが難しくなって、バランスがうまく取れずに歩くのが怖くなってしまいます。

頚椎症性神経根症は首を中心に、肩や手指にかけてしびれや痛みを感じるようになり、手先の細かい作業がしにくくなってくるのが特徴的な症状です。
症状は主に左右どちらかの手足、片側だけに見られ、筋力低下にまで症状が悪化してしまうこともあります。
首を後ろに反らせた際に痛みが生じ、触っていないのに触っているような感覚異常が現れてしまうこともあります。

頚椎症の原因

上記でお伝えしたような頚椎症は、椎間板の変性によって脊髄や神経を圧迫することによって症状が生じます。

椎間板とは、首の骨である椎骨と椎骨を繋いでいるもので、首のクッションの役割をになっています。

この椎間板は加齢とともに弾力性がなくなってしまい、徐々に変形したり、潰れてしまったりすることが知られています。
変性自体は病気ではなく、潰れたとしても症状が現れないことも珍しいことではありません。

しかし、椎間板が潰れて椎骨の外側に出てしまうと、周辺にある脊髄や神経根を圧迫してしびれや痛みが生じるようになり、症状が現れることによって病気の存在を自覚することになります。

頚椎症の治療法

装具療法
薬物療法
理学療法
温熱療法
牽引療法
神経ブロック療法
外科的療法

頚椎症は、ほとんどの場合が首や手足の痛みやしびれが主症状であり、基本的には装具を用いて保存による治療がとられることが多くなっています。
頚椎カラ―などの装具を使用し安静を保つことによって、関節を安定させ、椎間板の変性を予防することによって、症状を抑えることが期待できます。

痛みやしびれが強く、気になったり日常生活に支障がある場合には、薬物療法で症状を抑えることもあります。
多くの場合では鎮痛薬が処方され、筋肉の緊張をやわらげるために筋緊張弛緩剤が用いられることもあります。

理学療法牽引療法温熱療法などによって症状の緩和を目指すことも多くなっています。

理学療法は運動やマッサージなどによって改善を目指すもので、症状の改善が期待されています。
理学療法の際には。頚椎に対する負担を軽減させることができる牽引療法に取り組むことや「ホットパック」などを用いた温熱療法が併用されることもあります。

痛みのコントロールが難しい場合には、局所麻酔薬による神経ブロック療法が併用されることもあります。
症状が悪化し、歩行障害や排尿障害がみられる場合などにおいては、外科的療法を選択される場合もありますが、割合としては少なくなっています。

頚椎症に効果的なストレッチの方法と注意点

頚椎症の改善を目指したり、症状を引き起こさないようにするためには、日常生活において姿勢に対する意識を高めておくことが大切です。
姿勢を強制し、症状の予防のためにはストレッチが有効であると言われています。

ただし、頚椎症は椎間板が潰れたり変性したりすることによる神経や脊髄の圧迫による症状ですから、正しい方法でストレッチしないと悪化させてしまうリスクがあります。

頚椎症のストレッチ

頚椎症においてストレッチは改善や予防において、有効な方法として期待されています。

首のこりを感じていたり、手足にしびれを感じているような場合であれば、首に対するストレッチや、胸を開いて肩甲骨や背骨の動きを良くするストレッチが効果的です。

首に対するストレッチは、リラックスして椅子に座った状態で、肩と腕の力を抜いて、首を左右にゆっくりと倒していきます。
倒した際に、倒した側の手で反対側の耳あたりを押して、首を伸ばしていくとさらにストレッチ効果が高まります。

背中に対するストレッチは、立った状態で背中側で両手を繋ぎ、肘を伸ばしたままゆっくりと引き上げていきます。
引き上げた状態で10秒程度保持するだけでストレッチ効果があります。

毎日、意識的にこれらのストレッチを取り入れるようにするといいでしょう。
ただし痛みが生じる場合には、無理に行わないようにしてください。

姿勢

頸椎症でもっとも多い原因は姿勢が悪いことであると言われます。
スマートフォンの使用時やデスクワークでのパソコン使用時には、首をやや前に突き出すような姿勢で長時間過ごすことが多いのではないでしょうか。

頚椎症になった場合に、ストレッチなど改善方法に取り組むことはとても大事なことではありますが、根本原因である姿勢改善を意識することがとても大切です。
頚椎症は軽症であることがほとんどで、姿勢の矯正に取り組むだけでも症状が緩和したり、改善させたりすることができることも少なくありません。

また姿勢不良は、寝ている時の姿勢においてもみられることがあります。
枕の高さやマットレスの硬さが合っていない場合には、リラックスして就寝しているつもりでも、過度に負担をかけ緊張させていることがあるのです。
もし、寝違えが多いような場合であれば、枕やマットレスなど寝具を疑ってみることも大事です。

日常生活の注意点

頚椎症の場合においては、お伝えしている通り、椎骨と椎骨の間にある椎間板の劣化や損傷が根本原因であることが多いので、過度に首を回したり、倒したりすることでさらに悪化させてしまう危険性があります。
上記でお伝えした通り、まずは正しい姿勢を意識することが大切です。

スマートフォンやパソコンを長時間、操作するような場合においては、休憩を挟んでストレッチを行うなど、首に対する負担の軽減に努めます。
歩行時や家事の時などにおいても、背中や首を丸めるような姿勢をとらないように意識しておく必要があります。
また睡眠時の姿勢についても寝具を見直すことをはじめとして、うつぶせの姿勢で寝ないようにするなど、首に対する負担を意識する必要があります。

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