先生、こんにちは。
茨木英光です。
最近は男女の権利や女性蔑視などの言葉が取り沙汰されることが多く見受けられます。
そこで今回は、レディーファーストは誰のためにあるのか、生理学的な側面から、私見ですがお話させていただきたいと思います。
結論から言いますと、「レディーファーストは女性のため」が半分で、もう半分は「男性が自制するための回避行動」そう思っています。
まず男性の生殖機能について一緒に見てみましょう。
精子は二次性徴が始まると生産を開始します。
一方で卵子は女児がまだお腹の中にいる時に既に完成して、それが二次性徴が始まると定期的に放出していくという違いがあります。
また、女性は閉経がありますが、男性は一生精子を生産し続けます。
精子は毎日1億2000万個ほど作られています。
なので簡単に言うと、男は常にムラムラしているのです。
そのムラムラを抑えるために、射精を控えたほうが良いのかという論争は絶えずあります。
僕の考えは「常に射精し続けなければならない」と思っています。
それは精神論ではなく、生理学的な知見からです。
精子とは、頭部・頚部・尾部から構成されており、頭部には遺伝子が収納されています。
頚部にはミトコンドリアが集まっています。
尾部は動くための線維となっています。
精子にはエンジンとなるミトコンドリアは有っても、それを動かすガソリン・栄養がありません。
では精子が活発に動くガソリンとは何かと言うと、前立腺で作られる精液がそれに当たります。
精子と精液が合わさって射精されて初めて精子は活発に活動することが可能となるのです。
精液はアルカリ性で乳白色をしていて、粘性があることが特徴です。
一方女性の膣内は酸性で保たれていて、そのpHは約4とかなりの強酸な状態で細菌からの感染を防いでいます。
この強い酸性の中で精子が生き残るためには、強いアルカリによって中和されることが必要となります。
中高年になってくると精液を生産する前立腺小体の中に石が見られることがあります。
これは精液が凝固したものですが、胆石や尿管結石と違って即座に健康に影響を及ぼすものではありません。
しかし石の数が徐々に増えてくると、前立腺の機能を維持するために新しい前立腺小体が必要となって細胞の数を増やしていきます。
このことが前立腺肥大や前立腺がんの原因となっているわけです。
これは老朽化した家を放置したまま別の場所に家を建てるような街づくりのようなものです。
つまり前立腺肥大を防ぐためには常に代謝を良くして、前立腺の凝固を防がなければならないのです。
前立腺肥大という病気は、前立腺凝固と言ったほうがイメージが湧きやすいと思います。
なので男性として泌尿器の健康を守るためには、生涯射精を続けたほうが良いというのが僕の考えです。
「恋することが若さの秘訣」というのは、心の問題はもちろん、生理学的にも合致していると思います。
男性の性欲の管理とは、細い峰を歩くようなもので、射精は必要なこと。
しかし女性に迷惑をかけてはならない。
という常に自らを制する力を求められる訳なのです。
レディーファーストというのは女性に対して喜んでもらいたいという思いだけでなく、不用意に近づきすぎないようにする男性の自己管理の現れでもあるのです。
例えば仕事で女性と2人で倉庫に物を取りに行く際には、男性が先に入って電気をつけて、出るときは女性が先に出る、というようなエチケットは男性が自らを守るためにも必要なことなのです。
それは決して女性を蔑視したり、弱いものとして見ているのではなく、男性自身が女性に対して弱い面あるという、過ちに陥らないための知恵なのです。
しかし逆に自分の弱さを知っている人こそが本当の強い男であると思うのです。
土俵に女性を上げないことや、女人禁制の霊山など、それは女性が汚れているわけではなく、敵から群れを守るための強さを維持するために自らの弱さに近づかないようにして訓練しているのです。
生理学的観点から男女の違いを見ていくことで、男女の違いを改めて尊重していけるのではないかと近頃思ったりしております。
ありがとうございました。
茨木英光