頭・首の手技

クラニアル(頭蓋骨調整)~脳脊髄液の循環に着目した手技療法を学ぶ方法

クラニアル(頭蓋骨調整)とは~脳脊髄液の循環に着目した手技療法

頭蓋骨を調整し、全身症状や精神疾患にアプローチする手技に「クラニアル(頭蓋骨調整)」と呼ばれるものがあります。

頭蓋骨に対して、とても優しく圧をかけていく手技療法であり、僅かな歪みを調整していきます。
脳脊髄液の巡りが良くなり、自律神経の働きを活発化させることによって、自然治癒力を高める作用があると考えられています。

クラニアル(頭蓋骨調整)とは

「頭蓋骨調整」というと一般的にはイメージしにくい手技療法ではありますが、脳脊髄液の循環にとても重要な役割を果たしていることが知られています。

頭蓋骨は23個のパーツによって構成されており、それぞれのパーツは関節のつなぎ目のように形成されていることが分かります。
そのため、知らない間に歪みを生じさせてしまい、心身にさまざまな影響を与えてしまうことがあるのです。

頭蓋骨のパーツは、ほんの僅かですが動いていることが知られています。
それは呼吸のように膨らんだりしぼんだりといったリズムがあることも分かっています。

脳内で生成される脳脊髄液を仙骨にまで循環させているそのリズムのことを「頭蓋リズム」と呼んでいます。
頭蓋骨に歪みが生じてしまうと、脳脊髄液のリズムが悪くなってしまうために、身体に影響を与えるだけではなく、メンタル面、あるいは生命維持の観点からしても重要なものなのです。

脳脊髄液とは

脳の機能を維持するためには水分量がとても重要であり、水分量を一定に保つために脳脊髄液が循環していると考えられています。
また同時に、自律神経やホルモンの分泌においても影響を与えていることも知られています。

脳室内において毎日500ml程度の量を生産して、脳を脳脊髄液に浸しているような状態になっています。
この脳脊髄液についてはまだまだ解明されていないことも多いのですが、脳は私たちの身体の司令塔になるものですから、とても重要な役割があります。

脳室内で作られた脳脊髄液は循環したのちに頭蓋内の硬膜静脈洞に吸収されると考えられています。
その循環が悪くなってしまうと、頭蓋内に脳脊髄液が溜まってしまい、心身の障害を引き起こす原因になってしまうこともあります。

そのため、脳脊髄液の循環に着目したクラニアル(頭蓋骨調整)は、とても意味の深い手技であると言えることができます。

蝶形骨の調整について

23個で構成されている頭蓋骨の中に、蝶々が羽を開いているような形をしている「蝶形骨」と呼ばれる骨があります。
頭蓋骨の中でも中心部分に位置する骨であり、冒頭からお伝えしている頭蓋骨の働きにもっとも大きな影響を与えるものであることも知られています

蝶形骨に関わっている頭蓋骨には、前頭骨や喉頭骨、側頭骨、頭頂骨などさまざまなものがあります。
つまり蝶形骨自体に歪みが生じてしまうと、頭蓋骨全体の働きが悪くなってしまうのです。

そのため、頭蓋骨調整の手技療法の中でも、蝶形骨の調整に特化した手技もあるほどです。

蝶形骨とは

蝶形骨は23個ある頭蓋骨の一つであり、中心に位置していることからほかの9つのパーツと接合していることが知られています。
しかも筋膜を通して、身体全体にも繋がっていることから、歪みが生じることによってさまざまな症状が生じてしまいます。

特に重要視されているのは、顎関節と接合していることです。
蝶形骨に歪みが生じることで、顎関節の開閉や左右のバランスが悪くなってしまいますので、口の開閉が不自由になってしまいます。

左右の視力のバランスが悪い場合や、急に視力が落ちた場合、片目だけ疲れるような場合においても、蝶形骨の歪みが原因の一つであると考えられています。

また、自律神経との関りが深いことも知られています。
自律神経の交感神経が優位になると、緊張度が増して集中力を高めることができます。

しかし、この状態が長く続いてしまうと、身体全体に緊張をもたらし、歯の食いしばりを誘発させて、蝶形骨の歪みを生じさせてしまう原因になると考えられています。

蝶形骨調整で期待できる効果

蝶形骨の歪みは、冒頭からお伝えしている脳脊髄液の循環に大きな影響を与えるものです。
実際にこの脳脊髄液の循環が悪くなってしまうと、頭痛や倦怠感、疲れ目、イライラ、不安などの要因となってしまいます。

顎関節、視神経、自律神経などとも深い関係を有していますので、これらの症状がある場合には蝶形骨の歪みが疑われます。
ただ、頭痛や倦怠感であれば一般的には内科、疲れ目がひどい場合には眼科を受診することになります。

しかし、内科や眼科を受診して、蝶形骨の歪みが指摘されるようなことはなく、対処療法として薬物治療を行うことがほとんどです。
そのため、原因の分からない症状、いつまでも継続する症状がある場合に、蝶形骨調整はとても有効な手技療法になるのです。

頭蓋骨調整法『スピーノイドボーンテクニック』とは

柔道整復師であり、創術カイロプラクティック協会認定講師でもある手島昌彦先生は、自身が経営する「てしま整骨院」において、自身が考案した頭蓋骨調整法『スピーノイドボーンテクニック』で治療を行っています。

手島先生は東京オリンピック代表国体の柔道選手キックボクシング選手の施術に携わっていることでも知られています。

この手技療法では、蝶形骨の歪みを触診によって導き出し、物理的な力を用いて調整するのではなく、頭蓋骨が持っている力を活用して歪みを調整していくという特徴があります。

頭蓋骨調整法『スピーノイドボーンテクニック』の特徴

手島先生のスピーノイドボーンテクニックでは、蝶形骨の歪みを調整することによって、全身症状や精神症状を改善させることができます。

治療に訪れた患者さんの中には、腰痛肩こり五十肩などの改善をはじめとして、頭痛めまい突発性難聴眼精疲労自律神経失調症顎関節症などの改善がみられています。

上記でもお伝えした通り、これらの症状は病院に受診しても対処療法的に薬物治療に取り組むだけで、根本的な改善に繋がらないことも多くあります。
しかし、蝶形骨の歪みを調整することによって、脳の働きはもちろんのこと、末梢神経系に良い影響を与えることができるのです。

頭蓋骨調整法『スピーノイドボーンテクニック』を身につける方法

蝶形骨調整の重要性に気付いていながらも、位置的に施術が難しく、諦めている治療家の先生も多いのではないでしょうか。
しかし手島先生のスピーノイドボーンテクニックは、その手順がとてもシンプルですので、学ぶことによってすぐに臨床に活用することができます。

その手技はソフトタッチで物理的な圧力は必要ではなく、短時間でできる施術ですから、施術家の先生、また患者さん自身も負担になりません。

この頭蓋骨調整法『スピーノイドボーンテクニック』を身につけるには、DVD『スピーノイドボーンテクニックSBT~次世代の蝶形骨調整法~』を視聴することをおすすめします。

症状に応じた手技が詳しく実演と共に解説されており、施術のアドバイスも丁寧に行われていますので、すぐに実際の臨床に活用することが可能です。
もちろん理論から解説されており、検査方法、手技についてまで収録されていますので、見立てから施術までイメージしながら視聴することができるのです。

蝶形骨調整を施術に導入したいと考えている治療家の先生であれば、ぜひ視聴していただきたいDVDとなっています。