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【茨木英光】メニエールについてのご質問

みなさまこんにちは。

ご質問をいただきましたのでみなさまと共有したいと思います。

メニエールについて問い合わせがあったのですが、
茨木ならどのように返信するかについて
質問を受けましたのでご紹介いたします。

お問い合わせ内容

お忙しいところ申し訳ありません。
ちょっと質問なんですけど
メニエール病って整体で治りますか?
関係ないですか。

このように質問を受けたようなので
僕ならこのように返信いたしますと答えました。

返信内容

メニエールは内耳のリンパ水腫で起こります。
内耳全体の水圧が上がるため、
耳鳴りとめまいが同時に起こることが特徴となります。

内耳のリンパ液は、
内耳道から聴神経と顔面神経と共に入ります。
聴神経は内耳で行き止まりとなりますが、
顔面神経は耳の後ろにある茎乳突孔から顔面皮下に出ていきます。
この茎乳突孔が内耳のリンパ液の出口を兼ねています。
そのため、ここが詰まってしまうと
内耳の水圧が上がって耳鳴り、めまいを起こすのです。

耳の後ろのつまり感を伴う場合には
茎乳突孔を整体によって広げる施術を行います。
症状が軽い場合には初回から効果を実感できます。

一方整体によって治ることが難しい場合は、
内耳の神経細胞が傷んでいる場合です。
これは長期間聴覚障害を起こしていると
神経が損傷しますので改善の難易度は上がります。

しかし2,3回施術をしてみて
何割か改善を感じることができましたら
少しずつ神経が回復していくことが期待できます。

いずれにしましても、実際に施術してからの判断になりますが
メニエールの多くの場合には改善できています。
十分ご検討の上ご判断いただけましたら幸いでございます。

ここで大切なことは、
茎乳突孔が内耳にある脳脊髄液の
出口となっていることです。

第7脳神経の顔面神経と
第8脳神経の前庭蝸牛神経は
2本揃って橋から出て、内耳道から内耳に入ります。

そのため顔面に出たヘルペスが前庭蝸牛神経に乗り移って
めまいを惹き起こすことがあります。
そして顔面神経のみが茎乳突孔から出て顔面に分布していきます。

めまいのある人で、
耳の後ろがつまったコリ感がある場合は、
そこをマニピュレーション、
環椎後頭関節のアジャスト、
ダブルモーションで
茎乳突孔を広げて行きます。

凝っているからといって揉むだけでは解決しません。
茎乳突孔が詰まっていると術者が認識することが大切です。

そこを掻き出すように施術することで、ようやく症状が取れるのです。

だからテクニックの方法を覚えることが大切なのではありません。
・何が原因で症状を惹き起しているのか
・それを解決するために何をすべきか
その追求が正確な施術を生み出すのです。

ぜひ解剖学書で以下のことを調べ直して見てください。

・内耳の外リンパ液は脳脊髄液であること
・神経の外側を覆う神経外膜は硬膜の延長であること
・脳脊髄液は末梢神経まで流れ込んでいること
・茎乳突孔が顔面神経の出口であること

これらを自分の知識として落とし込めた時
初めてメニエールに対する施術の方法が理解できるようになります。

テクニックを一つずつ覚えて行こうとするのは卒業して
解剖学的に探求していく習慣を共に身につけていきましょう。

ありがとうございました。
茨木英光

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