先生、こんにちは。
茨木英光です。
肺がんの原因といえば、誰もがタバコを第一に思い浮かべると思います。
しかし最近では、タバコを吸わない人も肺がんになることが増えています。
「タバコを吸っていないのに、どうやって肺がんを防げばいいの?」
と思ってしまいますが、何もしないでいるよりか、できることを考えて実行してみたほうがきっといいはずです。
肺の仕組みを見ながら肺がんの予防について考えてみたいと思います。
1「網内系」について
網内系という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
字のごとく「あみの内側」。
これは大食細胞やリンパ球などの免疫に関する細胞が待機している場所です。
具体的には、リンパ節、消化管粘膜、脾臓、肺胞などです。
これらの器官はウイルスや細菌などの異物が侵入した際に、免疫細胞を出動させて、外敵を攻撃します。
ここでもう一度「網内系」という言葉を見てください。
免疫細胞はこれら網内系器官の血管などの内側にへばりついて待機しています。
そして血管の孔(あな)をくぐって細胞外に出ていき、そこで外敵と対峙するのです。
つまり網をくぐって戦場に行くのです。
しかし大食細胞と言う名の通り、免疫細胞は大きいのです。
それは外的を飲み込むためにはそれなりの大きさが必要だからです。
そして飲み込んだ細胞はさらに大きくなります。
そしてもう一つの注目点は、免疫細胞の方が血管壁の孔大きいので、アメーバー状になってヌルヌルっと少しずつ血管壁から出ていきます。
なので、免疫力を高めるためには、この血管壁の柔軟性が必要となるのです。
孔が柔らかくて伸びやすい血管ほど、大きな免疫細胞は戦場へと出ていきやすくなります。
2 肺の一番上まで息を吸い込むこと
私たちが日常でする呼吸では、肺の下3分の2しか使っていません。
上部の3分の1は、運動時など、呼吸が上がったときにだけ使用しています。
しかし運動不足になってくると息を上げることがほとんどなくなり、肺の上部が長期間使われていないことになってしまいます。
そうなると肺上部の肺胞内の血管壁は固くなり、免疫細胞は血管の外に出づらくなります。
外敵が来ても、また細胞が徐々に癌化しても、除去できなくなるのです。
だから肺がんを防ぐためには、肺の上部までしっかりと息を吸い込んで隅々まで使う必要があるということになります。
3 具体的な防ぎ方
上を向いて、手を広げて、思いっきり息を吸いましょう。
上を向くと肺の上部にまで息が入ってくることがわかります。
ラジオ体操の深呼吸と同じ動作でいいのですが、あくまでも意識は「肺の上にまで息を入れる」。
そのことに注視して行ってみてください。
駅の階段を登ろう
階段を2階にまで登るだけで、少し息が上がります。
息が上がるということは、心拍数と血圧が一時的に上昇して、血管が広がります。
血管は広げたり、休ませたり、絶えず柔軟性が必要な器官です。
ですからエスカレーターにすぐに乗ってしまわないで、階段を登って息を少し上げましょう。
なわとびもおすすめ
息を上げるためには、なわとびもおすすめです。
回数は少なくても構いません。
100回くらいでしたら2分くらいあればできてしまいます。
それくらいで十分ですから、少しずつ息を上げていくことに慣れていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
肺がんを防ぐためには結局「適度な運動」という当たり前の結論になってしまいます。
でもそれができていない人のほうが現代生活では多いのではないでしょうか。
たとえ運動はしんどくても、深呼吸ならすぐにできます。
肺の上部に息を入れてみてください。
それだけでも体はスッキリします。
今日は肺の構造から肺がんを防ぐ方法について考えてみました。
網内系という言葉をぜひ覚えておいて、また調べてみてください。
ありがとうございました。
関節マスタードットコム
茨木英光