活法とは
整体の手技において、「活法」と呼ばれるものがあります。
患者さんをリラックスさせて、身体の症状を改善させる方法であり、今とても注目されている治療方法です。
そのルーツは古武術にあり、柔道整復のもとになったものであると考えられています。
どのようなものなのかご紹介していきましょう。
活法とは
わが国においては、15世紀から16世紀にかけて「戦国時代」と呼ばれており、戦乱が頻発した時代として知られています。
当時の室町幕府の権力が低下して不安定化したことが原因であり、全国各地に戦国大名が台頭して土地や人を支配するようになっていったのです。
そのような時代背景によって、人を傷つける、殺めるための武術として「殺法」が編み出されることになりました。
また同時に、ケガをすることや身体を痛めてしまうことも多かったので、その状態を施術する技として「活法」が出来上がったのです。
そのため、「殺法」と「活法」は一体として用いられるようになったのです。
殺法については、のちに武道やスポーツとして伝えられるようになり、特に柔道は殺法からのルーツによって創始されたものであると考えられています。
また、活法については、医療技術として伝えられることになりました。
それが現在の柔道整復となったと考えられているのです。
特に明治時代では、柔道の原型となる柔術や古武術を学んでいた人は、同時に活法も学んでいたと言われています。
柔術や古武術が現在の柔道となる中で、活法も西洋医学を取り入れながら発展し、柔道整復として認められるようになったと言われます。
活法の特徴
戦国時代で活法は、傷ついていてもすぐに戦うことができるように編み出されたものですので、現代にも通ずる特徴を持っていると言われています。
当時は不安定な時代でしたので、自らが生き残りをかけて勝たなければなりません。
「下剋上」という文化や言葉も、当時から使われていたと言われています。
多くの武将が、権力を手に入れるために戦っていたことが分かります。
そのような社会背景をみても分かる通り、武将は心身の故障がかなり多かったようです。
それでも次の戦いに勝たなければ生きていくことができませんから、すぐに身体の調子を立て直さなければなりませんでした。
そこで活法では「身体の動きを取り戻す」「すぐに動ける状態に戻す」といった考えに基づいて施術が行われていました。
「身体の動きを取り戻す」という点においては、単に痛みを取り除くというだけではなく、動作を回復させることに主眼が置かれていました。
そのため、痛みのある部位を緩和させるだけではなく、連動している筋肉や関節などすべてが元通りに動かせるようにすることが必要になるのです。
また、「すぐに動ける状態に戻す」といったことも時代背景として重要でした。
すぐに戦える状態にするために、一瞬で効果を発揮することができる手技や手法が行われていたと言われています。
活法整体とは
戦国時代から伝わる活法が、活法整体として注目されています。
どのような特徴を持った手技療法なのか、ご紹介していきましょう。
活法整体とは
活法整体とは、現代まで伝わる活法をベースとした整体術のことを言います。
上記でもお伝えした通り、「活法」は「殺法」と表裏一体の関係から、少々手荒な怖いイメージが持たれていることもあります。
しかし、そのイメージとは真逆の特徴を持っており、とてもソフトな手技なのです。
活法は戦国時代を生き抜くために必要な治療法として位置づけられてきました。
すぐに動けるように回復させる必要があったために、身体の仕組みを用いてよりソフトな手技になったのです。
というのも、私たちの身体はさまざまな防衛反応を持っています。
例えば、強く揉みほぐすようなマッサージなどの手技を行った場合、その好転反応として「揉み返し」が起こります。
これは、強く揉んで細胞を物理的に破壊することによって、筋肉に炎症反応が生じている結果です。
もしこれを戦国時代に行っていたとしたら、揉み返しが生じる期間には、思うように戦えない可能性があります。
活法による手技を行っていた武将は、そのような身体の防衛反応を知っていたのでしょう。
無理な力を用いずに、身体を本来の動きに戻していくという調整法を編み出すことになったのです。
そのため、現代においても行われている活法整体においては、防衛反応を避けるために、とてもソフトな手技によって施術を行っているのです。
活法整体の手技の考え方
活法整体においては、筋肉に緊張状態を生じさせると、骨に歪みを生じさせる原因になると考えます。
骨に歪みを生じさせてしまうと、さらに筋肉の緊張が高まり、痛みが生じたり動きが悪くなってしまうようになります。
活法においては、痛みそのものにアプローチするのではなく、元通りに動かすということを念頭に施術されていました。
活法整体においても、動きが悪くなっている部位にアプローチし、痛みを緩和させ、元通りに動かせるように調整していくのです。
つまり言い換えると、骨格をボキボキ調整する整体のようなものではなく、筋肉を緩めることによって自然に骨の歪みを調整していくものです。
そのため、とてもソフトに施術が可能なのです。
活法整体を学ぶには~西海流活法整体とは
活法整体は冒頭からお伝えしている通り、身体を元通りに動かすことができるように、リラックスさせて症状を改善する、とてもソフトな手技になります。
施術を受ける患者さんにおいては、身体に負担がありませんので、安心して施術を受けることができます。
また施術家においても、大きな力を使うことなく短時間で効果的な手技療法を行うことができますので、スキルを身につけることは大きなメリットがあると言えるのではないでしょうか。
そのため、活法整体を学びたいという施術家が多くなっています。
活法整体を学ぶには、西海晃斗先生のテクニックである『西海流活法整体』を学ぶことをおすすめします。
『西海流活法整体』では、古くから伝わる活法をエネルギー、筋膜、骨格の視点から捉えていますので、施術を科学的に理論づけて学ぶことができます。
西海晃斗先生は吉民整骨院の院長であり、活法整体による施術を行うかたわらで活法整体の普及活動にも取り組まれており、また施術家にとって不得意な治療院向けのコミュニケーションセミナーも行っています。
声かけや所作だけでも患者さんがリラックスでき、施術の効果に大きな影響を与えていることが分かっています。
今回ご紹介する西海晃斗先生の『西海流活法整体DVD<伝承>~極の31手 これが次世代の活法~』においては、手技を「龍・虎・亀」という 三つの章に分けて分かりやすく丁寧に解説されており、すぐに臨床でも活用できるようになっています。
しかも、西海晃斗先生のコミュニケーションテクニックも完全網羅させたものに仕上がっています。
専用テキストも付いていますので、施術家の先生がすぐに活用できるテクニックばかりです。