最新記事

【茨木英光】脳神経と自律神経

先生、こんにちは。
茨木英光です。

前回は脳神経について3つのグループに分けて考えるということをお伝えいたしました。
今日は脳神経と自律神経の関連について考えてみましょう。

自律神経が乱れると、脳神経にも影響が出るイメージがあると思います。
しかしそれは12個すべての脳神経に出るものではありません。

脳神経の中で自律神経成分があるものは

Ⅲ 動眼神経 瞳孔の調節
Ⅶ 顔面神経 唾液の分泌
Ⅸ 舌咽神経 血圧の調節
Ⅹ 迷走神経 内臓の運動

この4つです。

つまり自律神経の働きが乱れると

  • 瞳孔の調節がうまく行かずに眩しさを感じる
  • 唾液が出にくくなり、口の渇きを感じる
  • 血圧の調節が不調となり、朝が起きられなくなったり、ホットフラッシュが起こったりする
  • 内臓の働きが乱れて便秘や下痢を起こす

これらのことは十分に起こることであり、継続して上記の症状があるのなら、自律神経失調症と言えると思います。

逆に言うと、上記4つの脳神経以外には自律神経成分はありません
なので、自律神経が乱れたとしても

  • においが分からなくなることはない
  • 目が見えにくくなることはない
  • 聴力が低下することはない
  • 舌が動かなくなることはない

と言うことができます。

原因が分からない症状を安易に自律神経失調症と診断されることがありますが脳神経の自律神経成分から考えてみるとそれが本当に自律神経の不調かどうか判別しやすくなります。

なので嗅覚、視覚、聴覚の低下が起こったならばそれを自律神経の低下だとして処理をしてはいけません。

たとえ医者にそう言われたとしてもです。
別の医者にもう一度見てもらった方が良いかもしれません

私は脳の感覚とは極めて正確で精密なものだと思っています。

よく「腰痛は脳の怒り」とか「腰痛は自律神経が原因」とか「高血圧の原因は8割が本態性で原因不明」とか言われますが全てにちゃんとした原因があると思っています。

開業して20年になりますが腰痛で自律神経が原因だった人は1例も見たことがありません

腰痛のすべての人が下方変位を起こしていましたしそれを元に戻すとその場で腰痛は軽くなりました。

ただその下方変位がレントゲンで見てもはっきりと分からないレベルなので原因不明と処理されているのだと私は思っています。

本当はレントゲンでもぎっくり腰の前と、起こった後の比較ができればはっきりと分かるのでしょうけど、そんなことはできませんので本人での比較は無理なわけです。

本態性高血圧についても、その原因は「首が上を向きにくくなることによって、頸動脈小体の働きが低下する」これが原因不明の高血圧の一端を担っていると思っています。

そうやってひとずつ考えていくといままで原因不明と思っていたことも合点のいく仮説を立てることができますしその仮説に基づいて施術をしていくと症状が改善することが何回もありました

なので世の中の医学の常識とされていることも時代が変われば覆ることもありますし、疑問に思ったことは自分で調べて仮説を立てる習慣と言いますか考える力を養っていく必要があると思っています。

だから僕が言うことも、もちろん半分くらいに聞いてください。

それを基にして自分で調べ、納得がいった時に初めて自分の力として腑にストンと落ちるのです。

次回は自律神経についてお話したいと思います。

ありがとうございました。
茨木英光


茨木先生のDVD・動画教材

▼DVD教材▼














▼動画教材▼