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身体均整法とは?三原則の運動理論 ・12種体型・整体との違いについて

身体均整法とは

身体均整法とは亀井進氏が創始した手技療法であり、それまでに存在した整体や調整法などさまざまな手技を研究して独自の療法として実践したものです。
亀井進氏は戦後の昭和20年代から、さまざまな手技を独自の研究を加えて、身体調整法として取り入れています。

整体やオステオパシー、カイロプラクティック、スポンデロテラピーなどの要素が体系化されており、自然治癒力を引き出すための手技療法となっています。
運動機能の捉え方や調整法としてかなり独創的であり、大きな特徴を持っています。

私たちは病気や痛み、コリ、緊張などによって不快感や倦怠感などを感じるようになり、動きが悪くなったり、歪みを生じさせたりしてしまいます。

身体均整法では、このような状態や症状を総括して「運動制限」と呼び、運動制限があるからこそ身体に病気や痛みなど故障が生じるであると考えます。

つまり運動制限は病気や痛み、コリなどの原因となるもので、それらを解除したり軽減させたりすることによって改善させることができると考えます。
身体均整法では、「運動制限の解除」を手技療法の特徴として捉えているのです。

身体均整法の特徴~三原則の運動理論

身体均整法には「可動性」「平衡性」「強弱性」といった三原則を持っています。

私たちの体はさまざまな機能が一体化されていますが、その機能を大きく分けると、この3つの原則によって成り立っていることが分かります。

身体均整法の「可動性」「平衡性」「強弱性」とは

「可動性」「平衡性」「強弱性」は、それぞれに影響を与えて存在するものです。

「可動性」とは身体機能や動作におけるバランスのことを指しており、筋肉や皮膚などの動きや機能のことを言います。
動きが早かったり遅かったり、動きそのものがでいるかできないかなどは、この可動性に分類されるものです。

「平衡性」とは骨格系やその形、バランスのことを指しており、骨格がきちんと整っているか、歪みなどが生じていないかに注目する部分です。

「強弱性」とは神経系のバランスのことを指しており、力が入ったり入らなかったり、痛みがあるかないかなどといった違和感はここに分類されます。
痛みがあれば力は入りませんし、痛みがなければ力を入れることができます。

「可動性」「平衡性」「強弱性」は相互に関連している

これら三原則は相互に関連しているもので、独立して存在しているものではありません。
私たちは腰や膝などに痛みやコリが生じるとかばうような姿勢になりますが、このような状況においては運動制限が生じているために痛みやコリが生じていると捉えます。

例えば膝をかばって歩いている場合には正常な姿勢ではなく形に歪みを生じさせています。
そのような姿勢では、力や動きに変化を生じさせてしまいます。
身体の動きに着目すると、痛みがある部分とない部分、力が入る部分と入らない部分などを見つけることができます。

身体均整法では、このように三原則をうまく活用しながら身体全体を捉え、改善させるための手技を施していくのです。

身体均整法の「12種体型」とは

12種体型とは、身体均整法の根幹となるもので、体系を12種に分類することによって状態や症状を的確に捉えていこうとするものです。

身体を頭、上半身、下半身、胸郭、骨盤、四肢の6つに分けて着目し、これらに現れる外向的・内向的な2つの機能に分類することによって、六類型12種に区別するのです。

外向的・内向的な2つの機能」とは、例えば頭を捉える場合、頭脳を使って疲れがみられる場合と頭部の姿勢が悪いことによってコリなどがみられる場合にはアプローチ方法が違うということが言えるでしょう。

身体均整法と整体・カイロプラクティック・オステオパシーとの違い

身体均整法は、単に手技療法としての技術だけを指しているのではなく、また癒しのためのスキルを指しているものでもありません。

体系化されているものの中に、整体やカイロプラクティック、オステオパシーのスキルも含まれていますが、それらを総括したものであり、さらに独特な運動機能の捉え方があるといっていいでしょう。

痛みやコリなどの局所的なものから身体全体を捉え、身体運動そのものを改善させることができるものです。
その視点は現代の手技療法においても、大きな影響を与えるものになるのではないでしょうか。